10億台を突破しても喜べない理由とは?(画像はイメージ)

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米アップルのスマートフォン「iPhone」の世界販売台数が10億台に達した。2007年の発売から9年での達成となる。

ティム・クックCEOが2016年7月末、社内ミーティングで10億台達成を明らかにした上で、「iPhoneは歴史上最も重要で大成功した製品。日常生活で欠かせなくなっており、日々のあらゆることを可能にしてくれる」と語ったそうだ。節目の10億台目を販売したのは7月中旬ごろだという。

2007年にジョブズ氏が発表

初代iPhoneは、アップル創業者で開発を指揮した故スティーブ・ジョブズ氏が2007年に発表した。画面のほぼ全てをタッチパネルとし、指で触って扱うという画期的な操作方法が受けて世界的な人気となった。

画面の大型化など毎年改良を加えていき、発売から約4年後の2011年に1億台、約7年後の2014年には5億台を達成した。その後も加速度的に販売台数は伸び、10億台到達は5億台からたったの2年で達成した。

日本国内では携帯大手3社のうち、ソフトバンクが2008年から販売を始めると、iPhone人気で契約件数を急伸させた。新モデルの発売日には全国の売り場に長蛇の列ができ、それをマスコミが大々的に報道するという光景がみられたのは記憶に新しい。

iPhoneを武器に顧客を奪うソフトバンクに危機感を募らせたKDDI(au)は2011年から、NTTドコモも2013年からiPhoneを扱うようになった。

販売台数は鈍化、減収減益に

9年での販売10億台突破というニュースについて、ネット上では「単純にすげえ」「10年たたずに10億台突破なんて驚きだ」「iPhoneを超える製品ってこれから出てくるのか」「世界を変革した21世紀最大のイノベーション」といった賞賛のコメントが並ぶ。

しかし、最近は中国メーカーなどとの競争激化でiPhone販売は失速。今(2016)年1〜3月期には前年同期比16%減の5119万台と2007年の発売以来初めて減少に転じると、4〜6月期も15%減の4040万台で2四半期連続の減少だった。

主力商品の販売減速を受け、アップルの4〜6月期決算は売上高が15%減の424億ドル、純利益は27%減の78億ドルと減収減益になった。ただ、苦しい状況にはあるものの、今秋には新モデルが発売されるとの観測がある。これを起爆剤にiPhone人気が再び高まるかが注目されている。