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By Thomas Hawk

Backblazeは自社で運用しているオンラインストレージを構成しているHDDの故障率を四半期ごとに発表しており、前回は運用台数6万1523台に対して3カ月間の故障件数が266件、故障率は1.84%でした。そして今期はHDDの運用台数を6万8813台に増加させ、第2四半期版(2016年4月〜6月)として、故障率がどのように推移したのかがついに発表されました。

Hard Drive Failure Rates: The Results from 68,813 Hard Drives

https://www.backblaze.com/blog/hard-drive-failure-rates-q2-2016/

Backblazeが運用しているHDDはHGST・Seagate・東芝・WDC製。全体・モデルごとに3カ月間の故障率が算出されています。全体の故障率は1.97%となり、前期比で0.13ポイント上昇。6万8813台中314台が故障したことになります。モデルごとに見ると最も故障台数が多かったのはSeagateの「ST4000DM000(4TB)」で、総運用台数3万4693台、総運用日数312万6610日の中で228台が故障しています。今期の故障台数の約3分の2を占める数ですが、運用台数が多いためであり、故障率はわずか2.68%と低め。

一方で、最も故障率が高かったのはSeagateの「ST4000DX000(4TB)」の19.81%で、総運用台数197台、総運用日数1万8428日の中で10台が故障しています。HGST・Seagate・東芝・WDCのメーカーごとに見ると、今期で全体的に故障率が低かったのはHGSTのHDDだったようです。



Backblazeのストレージに保存されるデータは右肩上がりで上昇を続けており、Backblazeはこれまでメインで使っていた4TBのHDDに加え、8TBのHDDを増加させていく計画について以前から述べていました。経済的な理由からもともと2720台導入されていたSeagateの「ST8000DM002」に加え、今期はHGSTの「HUH728080ALE600」が45台導入されています。



8TBのHDDが導入されたことにより、1つのストレージポッドで6.5PB以上のデータを移動できるようになり、Backblazeに格納される総合的なデータ量は250PBに達しています。前期から7290台が追加されたことにより、Backblazeのデータセンターに配置されているHDDの数は6万8813台になり、7万台の大台に乗るのもそう遠くなさそうです。

また、2013年4月10日から2016年6月30日までの故障率から算出された年間故障率のデータも公表されています。3年間で最も故障率が高いのはWDCの「WD20EFRX(2TB)」の9%で、6万963台中15台が故障していることがわかります。



Backblazeのデータセンターの機器構成は以下のようになっています。全体の50.4%を占めているのがSeagateの「ST4000DM000(4TB)」で34693台、次に多いのが12.3%を占めているHGSTの「HMS5C4040BLE640(4TB)」で、3番目もHGSTの「HMS5C4040ALE640(4TB)」です。



なお、実際にどのような故障率なのかというもっと詳細なデータを自分で検証したい場合には「The Raw Hard Drive Test Data」ページの最下部にある「Q2_2016_docs.zip(106KB)」「Q2_2016_data.zip(292.4MB)」からダウンロード可能です。