成章vs一宮北
前日の雨で、1日日程が遅れて始まった愛知大会。この日は、朝から真夏の太陽が照りつける強い日差しの下、プレーボールとなった。
成章の2年生エース小久保君は、身体はさほど大きくはないが、この日の投球は立ち上がりからいいリズムで、初回は3人であっさりと処理していった。そしてその裏、成章の攻撃は二死から、平松君が左前打で出ると、すかさず二塁盗塁を果たし、続く渡邉 大勢君が左中間を破る二塁打で帰して先制。
2回にも成章は、一死後7番間瀬君の右越三塁打に始まって、小久保君の中前打で2点目。さらに鈴木文也君、合田君が繋ぐと、田中君は死球で押し出し。その後もクリーンアップの平松君、渡邉君、平野君と3連続長打が続いて、この回6点か入るビッグイニングとなった。さすがに、こうなったら小久保君も楽に投げられるようになった。
3回には小久保君自身の左越へのソロアーチも飛び出した。8番打者でもあるだけに、これには河合 邦宗監督もビックリだったのではないだろうか。
そして小久保君自身は投げても、さらにリズムに乗っていってスイスイと押さえていく。3回以降は1四球を与えたのみで無安打に抑え、終わってみたら13奪三振で1安打1四球のみだった。小久保君を巧みにリードしていった渡邉大君のインサイドワークもよかったということであろう。投手が下級生の場合には、如何に投げやすくさせてあげるのかということも、捕手の大事な役割である。
それがうまく発揮することができたということである。成章の河合監督としても、投打にいい感じのスタートが切れたと感じていたのではないだろうか。
一宮北は先発の川地君が2回に掴まってしまってビッグイニングとなったのが効いた。3回以降にリリーフした大石君は本塁打こそ許したものの以降はしっかりと投げたと言っていいのではないだろうか。成章としても、その後は少し打ちあぐみ状態になっていたくらいだった。
(文=手束 仁)
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