一関学院、花巻東の私学だけではなく、釜石、一関工の戦いぶりに注目!【岩手抽選会後 展望】
ここ数年、盛岡大附と花巻東が交互に夏の代表校になっている岩手。今年のセンバツ大会には21世紀枠で釜石が出場し、春の県大会は一関学院が優勝したものの、地区予選では公立校も健闘を見せるなど、県全体のレベルは高くなっている。
■組み合わせ表は以下から【第98回岩手大会組み合わせ表】
一関学院は昨夏の悔しさを晴らすことができるか?熊谷 星南(花巻東)
2年連続で第1シードの一関学院。昨夏は決勝で花巻東と延長13回の死闘の末に敗れた。昨秋は3位で出場した東北大会で7年ぶりに4強入り。今春の東北大会は優勝した東北に初戦で敗れた。伝統的に守備力の高いチームだが、今年も健在。183センチの大型遊撃手・小林 亮介に俊足巧打の二塁手・小椋 元太が中心で投手陣もエース左腕・大竹 樹希哉を筆頭に多彩だ。2010年以来となる甲子園出場はなるか。
一関学院の初戦は遠野緑峰と釜石の勝者。釜石は昨秋、県大会で準優勝し東北大会に出場、21世紀枠でセンバツ大会に出場した。センバツ大会では同じく21世紀枠で出場の小豆島(香川)と初戦で当たり、2対1で勝利。エース・岩間 大を中心に再び、旋風を起こせるか。
今年の岩手には前沢、宮古水産、沼宮内、大迫、雫石の5校で合同チームを組んだ「五校連合」が入った。初戦は伝統ある大船渡だ。
毎年のように好チームに仕上げてくる盛岡三。この春は地区予選で敗れ、県大会出場はならなかったが、夏に近づくにつれて順調な仕上がりを見せている。県大会初戦で盛岡中央に延長12回サヨナラ勝ちし、8強入りした釜石商工もこのブロックで、初戦は一関一だ。
第2シードは花巻東。マスクをかぶる福島 圭斗、プロ注目の熊谷 星南、191センチで投手も兼任する千葉 耕太と、昨夏の甲子園経験者が多く残っている。昨秋は2回戦で盛岡大附に敗れ、早くに公式戦が終了。一冬の鍛錬で、今春の県大会準決勝では盛岡大附に11対3でリベンジ。春の東北大会では東陵にコールド負けしたが4強入りした。甲子園常連ではあるが、夏の連覇はまだない。初の連覇になるか、戦いぶりに注目だ。
初戦は盛岡工と花巻農の勝者。盛岡工は今春の盛岡地区予選で盛岡大附と接戦を演じている。昨秋4位、今春8強の花巻南もこのブロックに入った。この春の花巻地区予選決勝では花巻東に延長10回サヨナラ負けと惜敗。初戦は楽天・銀次の母校・盛岡中央と戦う。このブロックには春夏6回の甲子園出場がある専大北上もいる。その専大北上に今春の北奥地区予選で13対3の6回コールド勝ちを収めた黒沢尻工も同ブロックだ。
[page_break:盛岡大附は、打線で勝負 公立校で注目なのは?]盛岡大附は、打線で勝負 公立校で注目なのは?井上 涼平(盛岡大附)
昨秋の県大会で花巻東、専大北上、一関学院とライバルチームを撃破し、3年ぶりの頂点に立った盛岡大附。今春は県大会準決勝で花巻東に敗れ、3位決定戦で一関工に7対4で勝利した。ここ数年、力を入れている打撃は今年もパワフル。植田 拓、塩谷 洋樹らパンチ力のある選手が打線に並ぶ。一方の投手陣は継投で乗り切ることになりそうだ。
伊保内と初戦を戦う盛岡商のエース・佐々木 大和は140キロを超える速球が武器。大東は菊地 大智、拓海、洸太の三つ子がセンターラインを守り、クリーンアップを打つ。好投手・千田 雄大擁する高田は今春の県大会初戦で専大北上に延長10回サヨナラ勝ちし、8強に進出している。
第4シードは一関工。今春の県大会初戦でセンバツ大会に出場した釜石を9対6で下し、2回戦で盛岡商に8回コールド勝ち。準々決勝で昨秋4強の花巻南に競り勝ち、10年ぶりのベスト4進出となった。準々決勝では4番・千葉 健志が2打席連続本塁打を放った。
このブロックのもう1つのシード校が千厩。今春の一関地区予選準決勝で一関学院と対戦し、延長11回サヨナラ勝ち。県大会でも2回戦で福岡から延長11回の末に勝利を挙げるなど、粘り強い戦いぶりを見せ、12年ぶりの8強入りを果たした。夏の最高成績であるベスト8を超えることはできるか。
今年のセンバツ大会に釜石が出場したが、夏は1994年の盛岡四以降、公立校の甲子園出場はない。今年は私学に健闘する公立校が目立つ岩手。どんな戦いが繰り広げられるのか。
(文・高橋 昌江)
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