松本第一、長野日大などシード校は初戦から息を抜けない展開に!【長野抽選会後 展望】

写真拡大 (全2枚)

 第98回全国高校野球選手権長野大会(7月9日〜24日・松本市野球場ほか)の組み合わせ抽選会が6月25日に行われ、参加84チームの対戦カードが決まった。春季県大会の上位8校がシードされたブロックごとに、注目校や見どころを展望したい。

■こちらも合わせてチェック!【今年はシード校以外にも有力校が多数!有力校、有力選手の状況をまとめて紹介】■組み合わせ表を見ながら展望を読んでみよう【第98回長野大会組み合わせ表】

第1シード校 初戦から試練

第1シード・松本第一の主砲・3番牧 秀悟

【第1シード・松本第一ブロック】

 初優勝を狙う松本第一にとっては初戦から息を抜けない、最激戦区とも言える組み合わせとなった。松本第一は3人の左腕と、上下むらのない打線がかみ合い、春の県大会で初優勝。順当なら初戦(2回戦)の相手は小諸商。大会前半の大一番になりそうだ。

 小諸商は昨夏のベスト4チームで、新チームになっても2人の4強経験者を軸に常に上位争いに絡む力を持つ。さらに、その隣のヤマには昨秋の県4強で21世紀枠最終候補にもなった強打の長野が控える。反対のヤマにも中野立志館、田川などこれまた投打に力のあるチームが待ち構えている。

【第8シード・岡谷南ブロック(第1シードブロックと準々決勝で対戦)】

 本格右腕・諸本 峻明擁する岡谷南は16年ぶりにシードを獲得。しかし、力のある公立校が集中した難関ブロックとなった。隣のヤマには強打の野沢北、しぶとい諏訪清陵と長野西、さらに反対のヤマにも攻守にバランスの取れた須坂が入るなど、戦力が拮抗している。

【第4シード・長野日大ブロック】

 春の大躍進でシードを獲得した長野日大のブロックには、創造学園が入った。秋、春とも地区予選で強豪私立に敗れ、上位進出を果たせなかった創造学園だが、2年生投手陣を中心に実力は十分。このほかには篠ノ井、上田染谷丘、そして長野東など公立勢も戦力は整っており、長野日大にとって気の抜けない戦いが続く。

【第5シード・佐久長聖ブロック(第4シードブロックと準々決勝で対戦)】

 昨夏は準優勝、昨秋は北信越4強と、あと1勝で甲子園を逃してきた佐久長聖は2年ぶりの聖地を目指す。総合力では頭一つ抜けた印象の組み合わせとなった。ただ、春の大会でも手こずった東海大諏訪、公立勢として屋代、塩尻志学館などにはしぶとさがある。

 ここまでの4つのブロックで決勝進出を争う。

[page_break:第6シードブロックに前半屈指の好カード]【第6シードブロックに前半屈指の好カード】

 反対のブロックもやや実力校が偏った印象となった。

【第2シード・松商学園ブロック】

 制球が不安定な投手陣を強力打線が支えて春季大会で県準優勝に滑り込んだ松商学園。県制覇には投手陣の復調が不可欠だが、機動力も備える松商打線を抑えるのも大変だ。隣のヤマには好左腕の田中 準人擁する長野工、その隣には秋春県大会進出の岡谷工、反対ブロックの池田工と上田など、公立勢の下剋上に注目したい。

【第7シード・松本深志ブロック(第2シードブロックと準々決勝で対戦)】

 攻守で力が整う松本深志は25年ぶりにシード獲得。夏に強い更級農と上伊那農、さらに須坂東、諏訪二葉、松本工、中野西など好投手擁する公立校が集まり、私立の地球環境もシード校食いを狙う。この春、新規加盟した1年生軍団の日本ウェルネスにも注目したい。

連覇を狙う上田西のエース草海 光貴

【第3シード・上田西ブロック】

 夏2連覇を狙う上田西が総合力では一歩リードする。昨夏の甲子園でも投げたエース草海 光貴はじめ投手陣は県内でも屈指の力。飯山、伊那北、松代などがロースコアの勝負に持ち込みたい。

【第6シード・長野商業ブロック(第3シードブロックと準々決勝で対戦)】

 昨秋の県優勝校、長野商は不調だった投手陣を打力でカバー。投手力が上がってくると優勝争いに絡むことは必至だ。その長野商に待ったを掛けるのが、順当なら2回戦で対戦する東京都市大塩尻。けがから復帰した左腕エース石田 航大の復調具合が気になるが、打線が好調。長野商にとっては初戦からトップギアでの戦いが迫られる。

 過去4年間、佐久長聖、上田西、佐久長聖、上田西と両校で優勝を分け合ってきたが、この夏もその法則通りに行くのか、はたまた打ち破るチームが現れるのか?まずは大会序盤のシード校勢の戦いに注目したい。

(文・小池 剛)

注目記事・第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ