【広島抽選会後 展望】崇徳、広島商の復活により今年は大混戦!広島を熱くさせることができるか?

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 中国地区の野球処といえばどこか?といえば、やはり広島県である。伝統校・広島商、広陵の両雄が甲子園で活躍し、その2校を追うように崇徳、如水館といった学校が甲子園に出場し、結果を残してきた。今年も、その伝統校が夏の広島を盛り上げそうだ。組み合わせが発表されたが、全体的に強豪校が散らばっていて、各ブロックで激しい戦いが期待できそうだ。

■組み合わせ表は以下から【第98回広島大会組み合わせ表】

如水館は投手力を整備できるか? 広陵は投打ともに噛み合うか

持田 大和(如水館)

 如水館は、全国レベルの好打者・持田 大和のバットコントロールに注目。どのコースにも対応できる選手で、高確率で安打にすることができる。さらに俊足なので、外野手の間に抜ければ、二塁打、三塁打を量産できる。対戦していて非常に嫌な選手である。あとは投手力をどれだけ整備できるかに尽きるだろう。初戦は千代田と三次の勝者と対戦する。同ブロックには瀬戸内、総合技術がいるのが怖い。そしてシード校の尾道商は広島観音と熊野の勝者と対戦する。

 シード校の大竹は、広島国際学院と庄原格致の勝者と対戦。秋優勝の広島国際学院は、140キロ前後の直球とキレのあるスライダーが持ち味の右腕・森山 滉介、スラッガー・山田 龍哉の2人がキーマン。ノーシードからのスタートになるが、投打の柱がしっかりといるだけに、上位に浮上する可能性を持ったチームだ。そして名門・広陵は福山明王台と加計芸北の勝者と対戦。広陵は攻守にセンスがある福田 良太、また思い切りの良いスイングを見せる巧打者・阿部 唯人(2年)は独特のスイング軌道から強烈な打球を連発。

 さらに肩も強く、県内屈指の強肩強打の捕手・中村 奨成(2年)もおり攻撃力は高い。投手陣では期待の2年生左腕・平元 銀次郎の活躍に期待だ。ノーシードで怖いのは、伝統校・広島国泰寺。好投手・戸川 大輔は強豪相手にも好投を見せることができる投手で、シード校からすれば怖い存在だ。

[page_break:県内トップクラスの投手力を誇る3チームは?]県内トップクラスの投手力を誇る3チームは?

 中国大会優勝の崇徳は、左スリークォーター気味から投げ込むくせ球で勝負する高原 健大朗に、193センチの大型右腕・河合 球伍が台頭したことで投手陣に厚みが増した。打線では長打力のあるトップバッター・矢田 悠貴、好打のショート・松本 龍憲など打力が高い選手が並ぶ。総合力の高さは県内トップクラスで、古豪復活をかけ、勝負の夏を迎える。

 また同ブロックには尾道がいる。攻守の要・道井 雄太、「弱気は最大の敵」をモットーに最後の夏に挑む右の本格派・田中 雄大、外野手・吉澤 克真とどんな状況になってもチームの中心となって活躍してきた。心技体すべて鍛え、この夏は頂点を目指す。

 西条農は、エースの石田 大輔は140キロ台の直球とキレ味鋭いスライダーのコンビネーションで勝負する右の本格派だ。石田が投げ込むスライダーは手元でぎゅっと曲がる軌道をしているので、かなり打ちにくい。単調になってしまうところがあるので、あとは駆け引きを覚えていきたい。

堀 瑞輝 (広島新庄)

 シード校で、昨夏甲子園出場の広島新庄はエース堀 瑞輝がカギ。左スリークォーターから投げ込む直球は、常時140キロ前後を計測。ストレートよりも魅力なのが、打者の手元で鋭く曲がるスライダー。左スリークォーターから投げ込むので、左打者からすれば背中越しから一気に曲がるような感覚で曲がるスライダーの切れは脅威。秋、春と単調になるところがあったが、それを解消できているかが課題となる。プロ入りした田口 麗斗(巨人)とはまた変わったタイプだが、十分に次のステージで勝負できる武器、技術を持った投手である。

 2年生ながら堀以上のスケール感溢れる投手になりそうな有村 綜留も面白い。その広島新庄は日彰館vs海田の勝者と対戦する。そして広島商も今春ベスト4入りを果たし復活傾向だ。その名門復活を担うのがエースの水澤 天と好守にまとまりある河内 愛哉。攻守の軸がしっかりといる。

 全体的に強豪校が散らばっていて、ノーシードの学校でも秋上位だった広島国際学院がいるように、どの高校が勝ち上がってもおかしくない。夏の結果はどこが流れを掴むことができるかによるだろう。

(文・河嶋 宗一)

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