ここまで便利に進化した！「自動販売機」最新情報
現在では、おなじみの飲料の自動販売機のほか、券売機や両替機なども含めて日本国内で約500万台の自販機が稼働し、その売上総額は年間で約5兆円にも達するそうです。そんな、私たちの生活になくてはならない存在になった自動販売機について、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えてもらいました。
（TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」6月11日放送より）
◆「自販機のセールスで日本に来ました！」
〜歌手 クリス・ハートさん
僕はもともと自動販売機のセールスをしていました。2009年にサンフランシスコの本社に入ってその仕事をやる ようになり、2010年から日本でも展開するということで日本へ来たんです。その会社の製品は「何でも売れる自動販売機」で、アメリカではiPodや服、携帯電話なども売っていました。それを日本ではまず化粧品の自動販売機として導入しようという仕事でした。
セールスとしては全国のショッピングモールへ行って「このモールに設置したらこれくらいの売上が見込めます」なんてプレゼンテーションをしました。OKが出たら設置の準備をして、メンテナンスのプログラムを組んだりします。普通、自動販売機のメンテナンスは担当の人がいますが、僕が日本に来たときは僕ひとりしかいなかったので、最初は自分でやるしかありませんでした。
そんな仕事をしつつ音楽活動をしていたのですが、あるテレビ番組に出演したらかなり評判になったんです。すると仕事で自動販売機の話をしようとしても「観ましたよ！」と言われるようになってしまって。嬉しい反面、仕事の話が進まないのはジレンマでもありました。自動販売機のアームを調整している最中に声を掛けられても困りますし。ちょうどそのタイミングでデビューの話があったので、会社に迷惑をかけないよう歌手に専念する決心をしました。
歌手として全国をまわるのは、自動販売機のセールスをやっていたおかげで慣れていました。神奈川のラゾーナ川崎でライブをしたときは、ちょうどステージから自分で設置した自動販売機が見えて「ちゃんと動いてるかな？」と気になったりもしたものです。
ちなみにアメリカにも自動販売機はありますが、20年以上前の機械をずっと使っているようなところが多いですね。何よりトラブルが多いので外にはあまり置かれていません。日本では「便利だからこそ全国どこにでも」という発想ですが、アメリカでは「このへんでは飲み物が売っていないから自動販売機に任せましょう」という考え方です。
◆「はんこもジグソーパズルも自動販売機で！」
〜自動販売機研究家／「山田屋」管理人 野村誠さん
東京の地下鉄の四ツ谷駅などには「リンゴ」の自動販売機があります。シロップ漬けになった1/4くらいにカットされたリンゴが包装されて売られていて、1個100円ちょっとです。
渋谷のセンター街にあるのは「和雑貨」の自動販売機。和柄のストラップや手ぬぐいといった日本土産がいっぱい並んだ自動販売機で、外国人の方にはかなり評判のようです。海外だと屋外に自動販売機を置くことは少ないので、街中に自動販売機がいっぱいある光景そのものが日本らしいと感じるそうですね。
羽田空港には「ラテアート」の自動販売機があります。京都の「よーじや」という会社の自動販売機で、コーヒー（カプチーノ）の表面に絵が描かれて出てきます。値段は200円です。さらに羽田空港には、いろんなジュースをミックスできる自動販売機「コカ･コーラ フリースタイル」もあります。
「はんこ」を作ってくれる自動販売機はなかなか便利です。名前でも何でも好きな文字を入力すれば、その場で彫ってはんこを作ってくれます。時間は5〜10分くらいですし、値段も500円くらい。はんこを見つけるのに苦労する名前の人はすごく助かります。ホームセンターなんかに置いてあることが多いですね。新宿のヨドバシカメラにもあります。
「ジグソーパズル」の自動販売機は、写真を読み込ませればジグソーパズルを作ってくれます。50ピースくらいの小さなジグソーパズルですが、値段は300円くらいですし、時間も1分くらいなので、ちょっとしたプレゼントにはもってこいです。東急ハンズやさいたま水族館など、けっこうあちこちにあります。
島根県のドライブイン「コウラン」にはカレーライスの自動販売機があります。昔はちゃんとお皿に盛りつけられた状態で出てきたのですが、残念ながらその機能は壊れてしまい、今はご飯とルーのパックが別々に出てくるのですが。昔はあちこちにあったこの自動販売機も、今はここが最後の生き残りです。
◆「最新の自動販売機は年齢性別を判別します」
〜一般社団法人 日本自動販売機工業会 専務理事 恒川元三さん
1962年、アメリカのコカ・コーラ社が日本に自動販売機を設置し、飲料を販売したのが日本で飲料の自動販売機が導入された最初でした。当初は瓶の自動販売機だったので、持ち運びなどはかなり大変だったと想像されます。それで急速に普及することはありませんでした。飲料の自動販売機が本格的に普及したのは缶の飲料が登場してからです。
特に日本では缶コーヒーの発明が大きく影響しました。缶コーヒーが誕生したのは1969年。日本人の嗜好に合った缶コーヒーは大変な人気になりました。すると「冬場に温かい缶コーヒーを飲みたい」というニーズも生まれます。それに応えて1974年に温めた缶コーヒーを販売できる自動販売機「ホット＆コールド」が開発されました。これもまた自動販売機が飛躍的に伸びるきっかけになっています。
現在はペットボトルのお茶なども普及していますが、ペットボトルを温めるのは缶と同じ仕組みで可能です。ただ、温かいペットボトルのお茶のキャップがオレンジ色になっているのにお気づきでしょうか。これがホット用ペットボトルの印で、容器そのものもコールド用とは違う形状になっていたりします。
最近は「災害ベンダー」といって、大きな災害のときは無料で飲料を受け取れるような自動販売機が開発され、現在は全国で約5万台が設置されています。さらに豆知識としては、自動販売機には住所のステッカーが貼られていることを覚えておくと便利です。警察や消防に連絡したとき、正確な現在地がわからないと「近くに自動販売機はありませんか？」と聞かれるのもこのためです。
最新式なら、全面が液晶画面になった「デジタルサイネージ」の自動販売機も登場しています。上部のカメラでその人の年齢や性別を判別して何を薦めるかも自動販売機が判断するのですが、性別はもちろん、年齢もかなりの精度で判別できます。そこに時間帯なども加味してお薦めを表示するので、ぜひ一度試してみてください。
TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人（！）のエヌ博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・新一クンと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。
あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。6月18日（土）の放送のテーマは《傘》。お聴き逃しなく！
【あわせて読みたい】
★安部礼司が選ぶ「昭和世代に突き刺さる」究極のラブソング（2016／6／17） http://tfm-plus.gsj.mobi/news/3pND1Cv1ss.html
★【誰かに教えたくなる話】日本の女性が、下着をはくようになった理由とは？（2016／6／11） http://tfm-plus.gsj.mobi/news/qyIOg7MAFG.html
★意外と知らない「忍者」の素顔（2016／6／11） http://tfm-plus.gsj.mobi/news/HhaZxCKXJP.html
＜番組概要＞
番組名：「ピートのふしぎなガレージ」
放送エリア：TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時：TOKYO FMは毎週土曜17：00〜17：50（JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください）
番組Webサイト：http://www.tfm.co.jp/garage
（TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」6月11日放送より）
ここまで便利に進化した！「自動販売機」最新情報
◆「自販機のセールスで日本に来ました！」
〜歌手 クリス・ハートさん
僕はもともと自動販売機のセールスをしていました。2009年にサンフランシスコの本社に入ってその仕事をやる ようになり、2010年から日本でも展開するということで日本へ来たんです。その会社の製品は「何でも売れる自動販売機」で、アメリカではiPodや服、携帯電話なども売っていました。それを日本ではまず化粧品の自動販売機として導入しようという仕事でした。
セールスとしては全国のショッピングモールへ行って「このモールに設置したらこれくらいの売上が見込めます」なんてプレゼンテーションをしました。OKが出たら設置の準備をして、メンテナンスのプログラムを組んだりします。普通、自動販売機のメンテナンスは担当の人がいますが、僕が日本に来たときは僕ひとりしかいなかったので、最初は自分でやるしかありませんでした。
そんな仕事をしつつ音楽活動をしていたのですが、あるテレビ番組に出演したらかなり評判になったんです。すると仕事で自動販売機の話をしようとしても「観ましたよ！」と言われるようになってしまって。嬉しい反面、仕事の話が進まないのはジレンマでもありました。自動販売機のアームを調整している最中に声を掛けられても困りますし。ちょうどそのタイミングでデビューの話があったので、会社に迷惑をかけないよう歌手に専念する決心をしました。
歌手として全国をまわるのは、自動販売機のセールスをやっていたおかげで慣れていました。神奈川のラゾーナ川崎でライブをしたときは、ちょうどステージから自分で設置した自動販売機が見えて「ちゃんと動いてるかな？」と気になったりもしたものです。
ちなみにアメリカにも自動販売機はありますが、20年以上前の機械をずっと使っているようなところが多いですね。何よりトラブルが多いので外にはあまり置かれていません。日本では「便利だからこそ全国どこにでも」という発想ですが、アメリカでは「このへんでは飲み物が売っていないから自動販売機に任せましょう」という考え方です。
◆「はんこもジグソーパズルも自動販売機で！」
〜自動販売機研究家／「山田屋」管理人 野村誠さん
東京の地下鉄の四ツ谷駅などには「リンゴ」の自動販売機があります。シロップ漬けになった1/4くらいにカットされたリンゴが包装されて売られていて、1個100円ちょっとです。
渋谷のセンター街にあるのは「和雑貨」の自動販売機。和柄のストラップや手ぬぐいといった日本土産がいっぱい並んだ自動販売機で、外国人の方にはかなり評判のようです。海外だと屋外に自動販売機を置くことは少ないので、街中に自動販売機がいっぱいある光景そのものが日本らしいと感じるそうですね。
羽田空港には「ラテアート」の自動販売機があります。京都の「よーじや」という会社の自動販売機で、コーヒー（カプチーノ）の表面に絵が描かれて出てきます。値段は200円です。さらに羽田空港には、いろんなジュースをミックスできる自動販売機「コカ･コーラ フリースタイル」もあります。
「はんこ」を作ってくれる自動販売機はなかなか便利です。名前でも何でも好きな文字を入力すれば、その場で彫ってはんこを作ってくれます。時間は5〜10分くらいですし、値段も500円くらい。はんこを見つけるのに苦労する名前の人はすごく助かります。ホームセンターなんかに置いてあることが多いですね。新宿のヨドバシカメラにもあります。
「ジグソーパズル」の自動販売機は、写真を読み込ませればジグソーパズルを作ってくれます。50ピースくらいの小さなジグソーパズルですが、値段は300円くらいですし、時間も1分くらいなので、ちょっとしたプレゼントにはもってこいです。東急ハンズやさいたま水族館など、けっこうあちこちにあります。
島根県のドライブイン「コウラン」にはカレーライスの自動販売機があります。昔はちゃんとお皿に盛りつけられた状態で出てきたのですが、残念ながらその機能は壊れてしまい、今はご飯とルーのパックが別々に出てくるのですが。昔はあちこちにあったこの自動販売機も、今はここが最後の生き残りです。
◆「最新の自動販売機は年齢性別を判別します」
〜一般社団法人 日本自動販売機工業会 専務理事 恒川元三さん
1962年、アメリカのコカ・コーラ社が日本に自動販売機を設置し、飲料を販売したのが日本で飲料の自動販売機が導入された最初でした。当初は瓶の自動販売機だったので、持ち運びなどはかなり大変だったと想像されます。それで急速に普及することはありませんでした。飲料の自動販売機が本格的に普及したのは缶の飲料が登場してからです。
特に日本では缶コーヒーの発明が大きく影響しました。缶コーヒーが誕生したのは1969年。日本人の嗜好に合った缶コーヒーは大変な人気になりました。すると「冬場に温かい缶コーヒーを飲みたい」というニーズも生まれます。それに応えて1974年に温めた缶コーヒーを販売できる自動販売機「ホット＆コールド」が開発されました。これもまた自動販売機が飛躍的に伸びるきっかけになっています。
現在はペットボトルのお茶なども普及していますが、ペットボトルを温めるのは缶と同じ仕組みで可能です。ただ、温かいペットボトルのお茶のキャップがオレンジ色になっているのにお気づきでしょうか。これがホット用ペットボトルの印で、容器そのものもコールド用とは違う形状になっていたりします。
最近は「災害ベンダー」といって、大きな災害のときは無料で飲料を受け取れるような自動販売機が開発され、現在は全国で約5万台が設置されています。さらに豆知識としては、自動販売機には住所のステッカーが貼られていることを覚えておくと便利です。警察や消防に連絡したとき、正確な現在地がわからないと「近くに自動販売機はありませんか？」と聞かれるのもこのためです。
最新式なら、全面が液晶画面になった「デジタルサイネージ」の自動販売機も登場しています。上部のカメラでその人の年齢や性別を判別して何を薦めるかも自動販売機が判断するのですが、性別はもちろん、年齢もかなりの精度で判別できます。そこに時間帯なども加味してお薦めを表示するので、ぜひ一度試してみてください。
TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人（！）のエヌ博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・新一クンと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。
あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。6月18日（土）の放送のテーマは《傘》。お聴き逃しなく！
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★意外と知らない「忍者」の素顔（2016／6／11） http://tfm-plus.gsj.mobi/news/HhaZxCKXJP.html
＜番組概要＞
番組名：「ピートのふしぎなガレージ」
放送エリア：TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時：TOKYO FMは毎週土曜17：00〜17：50（JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください）
番組Webサイト：http://www.tfm.co.jp/garage
