XFN-ASIAによると、米ロサンゼルスで18日に開幕した世界最大のゲームショー「エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ(E3)」に、中国政府高官が初めて参加した。中国のオンライン・ゲームの管理権限を持つGAPP(国家新聞出版総署)の寇・所長は、18日講演し、中国政府は、海外で制作されたゲームの中国での生産を支援し、中国のスタジオでゲーム開発を行うことを奨励すると述べた。ゲームの内容が「中国の歴史や風土に合うようであれば」、外国企業との提携容認にも柔軟な姿勢を示した。

  また、質疑応答では、中国政府のゲームへの「検閲」基準に対し、英語での情報が不足していることについて、情報提供先などが質問されたが、同長官は「中国版を見るよう勧める」と答えるに留まった。一方、IGDA(国際ゲーム開発者協会)のロッカ事務局長は、外国企業が検閲に関する知識を得ることができず、結果的に中国進出が妨げられていると述べた。今までに、台湾チームが登場するとしてサッカーゲームの販売が禁止されたほか、敵の一部が中国人であることが不適切だとして米有名戦闘ゲームの販売が禁止されている。

  市場調査会社IDCによると、2004年の中国のオンライン・ゲーム業界の市場規模は、前年比50%増の2億9700万ドル(約318億円)に急成長、向こう5年間も同程度の速さで市場規模が拡大していくと予想されており、中国進出を目指す米企業が増える一方、ゲームの内容に対するあいまいな「検閲」基準への懸念が高まっている。 【了】