お弁当「冷凍食品禁止」の幼稚園、本当にあるの? 追加取材すると、何と!
【意外とバズったJ-CAST記事(6)】「ウチの園は冷凍食品禁止」「色々と決まりがある」――。保育園や幼稚園の「お弁当事情」をめぐる母親たちの悲鳴を取り上げた記事
「幼稚園お弁当に冷凍食品「禁止」なの? 「何を入れれば...」ネットにあふれるママたちの声」
は、2016年4月4日の配信後、大きな反響を呼んだ。一方で、記事に寄せられたコメントには、「本当にそんな幼稚園あるの?」「都市伝説じゃないか」といった疑問の声も目立った。
そこでJ-CASTニュース編集部は今回、実際に冷凍食品や加工食品の使用を「控えるように強くお願いしている」という福島県内の保育園に取材。こうした方針を打ち立てる理由や保護者の反応について、詳しい話を聞いた。
「主婦の忙しさがどれだけなのか全然わかってない」
J-CASTニュースが配信した2日後、4月6日放送の情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)では、東京都内(港区・江東区・杉並区・練馬区・中野区)にある22の幼稚園にアンケートを実施。その結果によると、半数以上となる12の園で、
「保護者のつくるお弁当の内容に決まり事や指導を行っている」
との回答があった。具体的には、「なるべく冷凍食品ではなく手作りを入れるように伝えている」「ご飯を食べて欲しいため、デザートを禁止している」との声が紹介されていた。だが、番組の調査では「冷凍食品・加工食品を禁止」している園は見つからなかったという。
今回の記事に寄せられたコメントや、SNSなどでの反応を見てみると、
「主婦の忙しさがどれだけなのか全然わかってない」
「そこまで心配するなら、幼稚園が徹底的に昼食を管理したらいい」
「幼稚園に、弁当への冷凍食品使用を禁止する権限があるのかよ」
などと、園が「家庭にまで」指導を行うことに反発する意見が目立つ。だがその一方で、「本当にそんな幼稚園あるの?」「都市伝説じゃないのか」と、記事の内容を疑問視する声も一定数見られたことも確かだ。
冷凍食品「NG」の園は「子どもの健康のため」だと説明
そこでJ-CASTニュース編集部は4月26日、ネット検索情報をもとに、冷凍食品全般と加工食品(ウインナー、練り物など)をお弁当に入れることを「控えるように強くお願いしている」という福島県内のある保育園に話を聞いた。
同園では、1988年の開園時から「子どもの健康のため、食品添加物をできるだけ避けた食事を与える」との方針を続けているという。そのため、冷凍の加工食品や市販の菓子類を一切使用しない給食を提供している。取材に応じた保育士の女性は、
「そうした方針は、月に1回ほど設けられた『お弁当の日』でも同様です。保護者の方にも、食品添加物を多く含む冷凍食品や加工食品の使用を控えるように説明・指導を行っています」
と明言した。保護者の反応については、
「入園前のオリエンテーションなどで保護者の方に説明を行っているので、園の方針を理解している方がほとんどです。ごくまれに冷凍食品や加工食品をお弁当に入れる保護者の方もいるのですが、保育士や周りのママさんがアドバイスします。そのため、段々と冷凍食品などを使用しない方が多くなっていきますね」
と説明した上で、「子供の健康を中心に考えてのお願いですので、保護者の方の理解を得られるのだと思います」とも話した。