ダラダラ長いだけの「ダメ会議」を変える秘訣

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 会社の仕事の中で、筆者が最も苦手なのが「会議」や「ミーティング」の類である。
 
 やたらと時間を食う割に、終わって内容を振り返ってみると情報共有しかされていなかったりするのが苦手だし、上役が一人で意思決定をするのをただ眺めているだけだったりするのも苦手だ。
 「自由にアイデアを出せ」といわれると意外に出なくて、沈黙が続くのも苦手だ。かといってアイデアがたくさん出ると収拾がつかないのも苦手だ。

 「この会議、出なくてもよかったんじゃないの?」

 時間ばかり奪われた会議の後で徒労感とともにこんなことを感じたことがあるのは、筆者だけではないだろう。
活発に意見が飛び交い、そしてきちんとまとまるクリエイティブでスマートな会議はどうしたら実現できるのか。
 
■活発に意見を出す…その前にやるべきこと
  『「結果を出す会議」に今すぐ変えるフレームワーク38』(小野ゆうこ著、日本実業出版刊)では、メンバーのアイデアを募りたい会議では各自の意見を「付箋にすべて書き出す」という方法を紹介している。
 
 ただ、もちろん書き出すだけでは、雑多な意見が出過ぎて収拾がつかなくなってしまうだろう。これを避けるために次の手順が重要となる。

1.事実を共有する
 アイデアを出すからには、出さなければならない状況があるはずだ。その状況を把握するために、各部署やチームごとに知っている事実を紙(本では模造紙を推奨している)に箇条書きし、共有する。

2.黙って見る
 集まった模造紙を壁に貼り出して、黙って観て回る。気づいたことは付箋に書く。

 ここからようやくアイデアを出していくことになるが、各自が好き勝手に意見を言うのではなく「できそうなこと」「事実から気づいたこと」「疑問に感じたこと」の3つのテーマに分け、意見は一つずつ付箋に書いて貼り出すといい。こうすることで、漏れやダブりなくメンバーの知恵が集まるのだ。

■「アイデアは出たけどまとまらない」を避けるために
 こうして出てきたアイデアは、テーマ別に分かれているとはいえ、雑多でまとまりがないものだろう。
 これ自体は悪いことではないが、具体的なものと抽象的なものが混在する状態を整理してまとめることができないと、せっかくのアイデアを生かし切れない。

 集まったアイデアを整理するための、「具体的なアイデア」か「抽象的なアイデア」かで分けてみるというのは一つの手だ。
たとえば「顧客対応の改善」を目指す会議なら「問い合わせには24時間以内に対応する」「顧客カルテを見直す」は具体的だし、「チーム力を高める」「約束を果たす」などは抽象的だ。

 これらを分けて貼り出せば、抽象的なアイデアから具体的な行動を発想する助けになるし、アイデアとアイデアを組み合わせてよりよい意見を作ることにもつながる。
 メンバーのアイデアをまとめる助けになるのと同時に、アイデア自体を発展させることもできるわけだ。

 ここで紹介した会議の進め方は、『「結果を出す会議」に今すぐ変えるフレームワーク38』で紹介されている内容のごくごく一部にすぎない。もっとクリエイティブで、もっと刺激的で、もっと結果につながる会議にするために何をするべきかが記されている。読んで学ぶだけでなく、会議の場に持ち込んで辞書のように使うのも有効だろう。また、会議ではなく個人として取り入れれば、アイデアや思考をより深く、豊かなものにするためのフレームワークとして活用できる。

 筆者のように会議が苦手な人は、率先して自分の職場の会議を変えてみてはいかがだろうか。
(新刊JP編集部)