「人の不完全に腹を立てるのは思い上がり」 200万部超ベストセラー著者のメッセージ
思い通りにいかないのが人生というもの。それでも、置かれた環境や条件の中で、自分なりの花を咲かせようと努力する。そう語るのは、ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子氏だ。
200万部を超えるベストセラーとなった『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎刊)に続くのが、『幸せはあなたの心が決める』(PHP研究所刊)。本書では、こだわりや悲しみから心を自由にして強く生き抜く人生のヒントを、身近な具体例と深い人生経験から導かれたメッセージで紹介している。
◼︎人の不完全に腹を立てるのは自分の思い上がりである
「私は罪びとなのだから、不完全なところがあっても、大目に見てもらうのが当たり前。機嫌の悪い日もあるし、人を誤解するのも当然」(P15より引用)
渡辺氏は修道院という共同生活で、他人のすること、なすことを心の中で批判したり、非難することが多く、苦しんでいた。その生活の中で「この世の中に、神以外のものはすべて被造物であり、不完全なものである」という言葉に出会い、救いとなったという。
人に完全なものを求めてはいけない。人の不完全のあらわれに腹を立てるということは、自分の分際を超えた思い上がりだとわからせてくれたという。
◼「あなたは生きていていい」というメッセージを伝える︎
「批判する能力は、人間に与えられた特権ですから、これを用いることは特にたいせつなことですが、やはり相手への思いやり、優しさがあってほしいと思います」(P27より引用)
人を批評するとき、批評するポイントを相手の悪いところを強調するか、相手の良いところを強調するかで違う。
誰一人として、この世に自分の意志で生まれてきた人はいないはず。ということは、生きることに自信を持っていないということだ。だからこそ、つらいこと、苦しいことの多い人生を生きてゆくためには、「あなたは生きていていいのだ」という他人からの励ましと優しさが要るのだ。相手の悪い点を強調するような言い方はしないようにしなければいけない。
◼︎寛容の本当の意味
「寛容というのは、『寛大で、よく人を許し、受け入れ、咎めたてをしないこと』と定義されていますが、それは決して『大目に見てやる』といった『甘やかし』ではないと思うのです。相手を許し、受け入れるにあたっては、真の思いやり、愛が、一見きびしく思えることさえあるのです」(P32より引用)
渡辺氏が1人のアメリカ人のもとで仕事をしていた20代のときに、真の「寛容」というものを、身をもって教えてもらったという。「ただの1セントの計算違いであったとしても、正確でないという点では、1万ドルの計算違いと変わりはない」という論理を持った人のもとで、渡辺氏はわずかな間違いも許されなかった。だが、その人は人間そのものに対して、いつもその弱さを包み込み、ゆるすという愛と広い心の持ち主だったという。
渡辺氏の言葉は万人の心に刺さる。悩んだときや人生がつまらないと思ったとき、本書の言葉は生きるヒントとなるはずだ。
(新刊JP編集部)
200万部を超えるベストセラーとなった『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎刊)に続くのが、『幸せはあなたの心が決める』(PHP研究所刊)。本書では、こだわりや悲しみから心を自由にして強く生き抜く人生のヒントを、身近な具体例と深い人生経験から導かれたメッセージで紹介している。
「私は罪びとなのだから、不完全なところがあっても、大目に見てもらうのが当たり前。機嫌の悪い日もあるし、人を誤解するのも当然」(P15より引用)
渡辺氏は修道院という共同生活で、他人のすること、なすことを心の中で批判したり、非難することが多く、苦しんでいた。その生活の中で「この世の中に、神以外のものはすべて被造物であり、不完全なものである」という言葉に出会い、救いとなったという。
人に完全なものを求めてはいけない。人の不完全のあらわれに腹を立てるということは、自分の分際を超えた思い上がりだとわからせてくれたという。
◼「あなたは生きていていい」というメッセージを伝える︎
「批判する能力は、人間に与えられた特権ですから、これを用いることは特にたいせつなことですが、やはり相手への思いやり、優しさがあってほしいと思います」(P27より引用)
人を批評するとき、批評するポイントを相手の悪いところを強調するか、相手の良いところを強調するかで違う。
誰一人として、この世に自分の意志で生まれてきた人はいないはず。ということは、生きることに自信を持っていないということだ。だからこそ、つらいこと、苦しいことの多い人生を生きてゆくためには、「あなたは生きていていいのだ」という他人からの励ましと優しさが要るのだ。相手の悪い点を強調するような言い方はしないようにしなければいけない。
◼︎寛容の本当の意味
「寛容というのは、『寛大で、よく人を許し、受け入れ、咎めたてをしないこと』と定義されていますが、それは決して『大目に見てやる』といった『甘やかし』ではないと思うのです。相手を許し、受け入れるにあたっては、真の思いやり、愛が、一見きびしく思えることさえあるのです」(P32より引用)
渡辺氏が1人のアメリカ人のもとで仕事をしていた20代のときに、真の「寛容」というものを、身をもって教えてもらったという。「ただの1セントの計算違いであったとしても、正確でないという点では、1万ドルの計算違いと変わりはない」という論理を持った人のもとで、渡辺氏はわずかな間違いも許されなかった。だが、その人は人間そのものに対して、いつもその弱さを包み込み、ゆるすという愛と広い心の持ち主だったという。
渡辺氏の言葉は万人の心に刺さる。悩んだときや人生がつまらないと思ったとき、本書の言葉は生きるヒントとなるはずだ。
(新刊JP編集部)