金持ちほど金を貸さない その驚きの気遣いとは
お金が欲しいかといわれたら欲しいし、金持ちになりたいかといわれたらなりたい。しかし、思うように稼げないのがお金だ。
『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』(日本実業出版社刊)によると、金持ちになる人とそうでない人には、考え方や行動に大きな違いがあるという。
金持ちを金持ちたらしめる考え方や行動とは何か、どうしたらそれが身に付くのか。著者の稲村徹也さんにお話を聞いた。
――『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』についてお話をうかがえればと思います。この本では「億万長者のメンタル」と「貧乏人メンタル」が明確に違うことが指摘されています。まず、お聞きしたいのは「億万長者」はどのようにして「億万長者メンタル」を身につけていくのかという点です。
稲村:まず知っていただきたいのは、「億万長者」というと高学歴なイメージがあると思いますが、実際には8割方が中卒、高卒だということです。
高校を卒業して大学に入った人が4年間何を学ぶかというと「どう安定して生きるか」というための知識なり技術です。そして、就職して安定した生活をしていきます。
これに対して、高卒の人は学校を卒業すると同時に就職して、大学に行った人より4年早く働き始める。同い年の大学生が卒業するまでの間に仕事の現場のことは大抵身につきます。こうした低学歴の人の仕事としてよくあるのが、いわゆる「3K」の職場なのですが、こういう仕事は人がやりたくないことをやるので給料は比較的いいんです。若いうちは同世代の人よりもお金を持っていることが多いのに加えて、職場環境は職人社会で上から頭ごなしに言われますからね。早く独立したいという気持ちが芽生えやすい。
――たしかに、「3K」の代表のように言われる建設業を見ると、若くして独立する人は多いように思います。
稲村:ええ。そして独立・起業をして会社が回り出すと収入が増えますから、何をするかというと投資を始めます。そうなると付き合う人が変わってきますし、投資は5年先10年先のことを考えられないとできませんから、先を見る目が養われてゆく。
こういうことをしていく過程で、「独立・起業した社長」は「実業家」へ変わっていくわけです。そうなると、気になるのは自分の「低学歴」です。だから、低学歴で成功した実業家ほどセミナーなどに学びに行きます。仕事を通して学んだり、セミナーで学んだりしているうちにどんどんマインドが成功者のものに変わっていきます。
――「億万長者」というと、他人を出し抜いて成り上がったというイメージを持たれがちです。稲村さんの知り合った億万長者たちにこういったタイプはいなかったのでしょうか。
稲村:他人を出し抜いたり、自分のことしか考えない人は、たとえ一時的にお金持ちになってもすぐ潰れてしまいます。長く成功しつづけていくためには、やはり人格的な要素はすごく大切なんです。
この本の中でジェイ・エイブラハムやブライアン・トレーシーといった「億万長者」の名言を紹介しているのですが、30年以上成功しつづけている彼らのような人にだって落ちる時期はあったはずです。でも、彼らはその逆境に耐えられる。なぜかというと彼らは人格者であり、そういう人は困った時に周りの人が助けてくれるからです。
さらに言うなら、一流の人ほど誰かを助ける時に、お金を貸したり与えたりするのではなく「人」を紹介します。ビジネスで失敗するのは端的にいえばお金がなくなるからですが、お金がなくなりそうな人に対しては、お金を貸すよりも人脈を紹介してあげて、新しいビジネスのチャンスが生まれるようにする。その方がレバレッジが効くことを知っているんです。これは一流の人とそうでない人のマインドの違いだと思いますね。
(後編につづく)
『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』(日本実業出版社刊)によると、金持ちになる人とそうでない人には、考え方や行動に大きな違いがあるという。
金持ちを金持ちたらしめる考え方や行動とは何か、どうしたらそれが身に付くのか。著者の稲村徹也さんにお話を聞いた。
――『世界の超一流から教えてもらった「億万長者」思考』についてお話をうかがえればと思います。この本では「億万長者のメンタル」と「貧乏人メンタル」が明確に違うことが指摘されています。まず、お聞きしたいのは「億万長者」はどのようにして「億万長者メンタル」を身につけていくのかという点です。
高校を卒業して大学に入った人が4年間何を学ぶかというと「どう安定して生きるか」というための知識なり技術です。そして、就職して安定した生活をしていきます。
これに対して、高卒の人は学校を卒業すると同時に就職して、大学に行った人より4年早く働き始める。同い年の大学生が卒業するまでの間に仕事の現場のことは大抵身につきます。こうした低学歴の人の仕事としてよくあるのが、いわゆる「3K」の職場なのですが、こういう仕事は人がやりたくないことをやるので給料は比較的いいんです。若いうちは同世代の人よりもお金を持っていることが多いのに加えて、職場環境は職人社会で上から頭ごなしに言われますからね。早く独立したいという気持ちが芽生えやすい。
――たしかに、「3K」の代表のように言われる建設業を見ると、若くして独立する人は多いように思います。
稲村:ええ。そして独立・起業をして会社が回り出すと収入が増えますから、何をするかというと投資を始めます。そうなると付き合う人が変わってきますし、投資は5年先10年先のことを考えられないとできませんから、先を見る目が養われてゆく。
こういうことをしていく過程で、「独立・起業した社長」は「実業家」へ変わっていくわけです。そうなると、気になるのは自分の「低学歴」です。だから、低学歴で成功した実業家ほどセミナーなどに学びに行きます。仕事を通して学んだり、セミナーで学んだりしているうちにどんどんマインドが成功者のものに変わっていきます。
――「億万長者」というと、他人を出し抜いて成り上がったというイメージを持たれがちです。稲村さんの知り合った億万長者たちにこういったタイプはいなかったのでしょうか。
稲村:他人を出し抜いたり、自分のことしか考えない人は、たとえ一時的にお金持ちになってもすぐ潰れてしまいます。長く成功しつづけていくためには、やはり人格的な要素はすごく大切なんです。
この本の中でジェイ・エイブラハムやブライアン・トレーシーといった「億万長者」の名言を紹介しているのですが、30年以上成功しつづけている彼らのような人にだって落ちる時期はあったはずです。でも、彼らはその逆境に耐えられる。なぜかというと彼らは人格者であり、そういう人は困った時に周りの人が助けてくれるからです。
さらに言うなら、一流の人ほど誰かを助ける時に、お金を貸したり与えたりするのではなく「人」を紹介します。ビジネスで失敗するのは端的にいえばお金がなくなるからですが、お金がなくなりそうな人に対しては、お金を貸すよりも人脈を紹介してあげて、新しいビジネスのチャンスが生まれるようにする。その方がレバレッジが効くことを知っているんです。これは一流の人とそうでない人のマインドの違いだと思いますね。
(後編につづく)