恵比寿駅西口から線路沿いを行く坂上には、ここ数年注目の新店が続々登場している。どれもプライベートや接待に使える優良店揃い。是非とも行きつけリストに加えてみては?



恵比寿駅 西口



フランス・ペリゴール産鴨フォアグラと愛媛県・宇和島産清五郎農園ブラッドオレンジのクレープシュゼット。コース料理の一例
シェフの技巧と感性を感じる料理の数々『mori』

恵比寿西口から徒歩3分


2014年2月、デイリーに使えるカジュアルなフレンチから、ファーストクラスのようなプレミアム感のあるフレンチへと一新。ゆとりのあるカウンターに個室も洗練させ、「非日常のひと時を堪能していただきたい」とゲストは1日2〜3組限定。

恵比寿『タイユヴァン・ロブション』やフランスの星付きレストランで研鑽を積んだオーナーシェフ森茂彰氏の本領が発揮されている。メニューはコースのみに絞り込み、その日の仕入れに応じて内容を変更。全国各地から目利きした最良の食材で仕立てるのは“素材ありき”の料理だ。



活オマール ミ・キュイと根セロリのサラダ オマールオイルとシェリービネガーの薫るトマトソース。コース料理の一例

たとえば活オマールなら、ギリギリの火入れで半生のミ・キュイに仕上げて、オマールオイルとシェリービネガーの酸味を効かせたトマトソースでアクセントを。得意とするフォアグラなら、産地直送される愛媛県宇和島のブラッドオレンジを主役に置き換え、クレープシュゼットに仕立ててフランベするプレゼンテーションにもこだわりが伺える。

いずれの皿もシンプルだが、緻密な計算と高度なテクニック、そして稀有な感性に裏打ちされた美味なるインパクトは絶大。ハードルを上げて第二のステージに挑戦する名シェフの再スタートを、心より歓迎したい。



ガーデンテラス付の個室も併設



内観




料理はコース¥3,900〜、アラカルトもある。写真は単品の分量。千葉・柴海農園の15種類以上の無農薬野菜を添えた鮮魚のカルパッチョ
さまざまな旬の味を和洋の技法で満喫『Kinoe〜季の恵〜』

恵比寿西口から徒歩4分


長年『リコスキッチン』の料理長として活躍した夏目シェフが独立する際、場所選びの条件にしたのは「自然光の中でランチが楽しめ、風が通り抜けるイメージの場所」。1年がかりで見つけた恵比寿の丘の上のビル4階に開業した店は、昼は大きな窓から光が降り注ぎ、夜はガーデンプレイスの夜景を望む、ビルの合間のオアシスのような空間だ。

メニューは、和・仏・伊の技法で旬の素材を生かした品々。シェフいわく、「ほっこりできる料理」だ。鰻と里芋のテリーヌを味わえば、香ばしさと旨みが溢れる鰻のフワフワの食感と里芋のホクホク感が広がり、そのやさしい味わいに気持ちがほぐされる。



写真は単品の分量。香ばしく焼いたウナギと里芋のテリーヌ



内観


まだまだ続く、恵比寿西口の名店



佐渡紅ずわい蟹の土鍋飯。新潟の美味が満載の品
新潟の美味しい米と酒、郷土色豊かな美味を『上越やすだ』

恵比寿西口から徒歩4分


日本酒人気が高まる中、酒処で知られる新潟の銘酒と郷土色豊かな料理が味わえる新店がオープンした。新潟上越で創業120余年を誇る老舗料亭の流れを汲むこちらは、新潟の山海の幸に米、県内90蔵もの銘酒を擁する板前割烹。

同店ではまずひと口のごはんと地酒、突き出しを提供するのが流儀。それは「新潟の味を知っていただきたい」との思いから。のどぐろやドロ海老といった鮮魚を堪能しながら、日本酒をワイングラスや選べるお猪口でしみじみ味わう。

そんな楽しみ方も容易だ。店内はカウンターの他、テーブル席に個室も完備。大切な接待にも手厚く応えてくれる。恵比寿に足を向ける機会が俄然増えることは間違いない。



新潟・上越の地酒をはじめ、幻の銘酒が充実する。お通しで出される3品。少量の地酒、ごはん、突き出し



内観