コミュニケーションは「ロジカル」「感性」どっちが必要?【矢島雅弘の「本が好きっ!」】
矢島雅弘の「本が好きっ」、第6回のゲストは『ハイブランド企業に学ぶ 仕事が変わる「感性」の磨き方』(PHP研究所刊)の著者、大串亜由美(おおくし・あゆみ)さんでした。
ここのところ、自己啓発系の本ばかり読んでいたので、久々にロジカルな著者さんにお会いできるぞ、と楽しみにしていましたが、そのことを大串さんにお話しすると「それほどロジカルな人間でもありませんが・・・」と苦笑されてしまいました。
しかし、本書の文章の書き方は、「これからAについてのお話をします、その理由は3つです。」こんな感じで、僕にとってはロジカルだったのです。
すると大串さんは「なるほど、確かに、これから何を話すかを事前に提示する、というのは日頃から気をつけていますね」と同意してくださり、以下のようなお話をして下さいました。
そもそも大串さんはビジネスコミュニケーション全般の講師であり、コンサルティング業務も手掛けている方です。「ロジカル」と「感性」この両方をバランスよく備えているからこそ、コミュニケーションについての具体的なノウハウを提示し、その定量的分析をすることができるんですね。
いわゆる「感性」だけで仕事をしている天才肌の人間は、そもそも大串さんのような話し方、書き方はしないでしょうし、できない、またその必要性すら感じないでしょう。「感性」という数値化できないものを、論理的に説明し、その必要性を説くことができる。これが大串さんの強みなのではないかと思います。
さて、今回の収録で僕が「すごい!」と思ったのは、大串さんの「話を聴くテクニック」です。本書でも説明されていますが、改めて目の前で実践されると、こんなにうれしいことはないのだなと、その効果に驚きました。
それはどんなものかというと、僕が「AがBならば、逆説的にBだからAとも言えそうですね」とお話をしたところ、大串さんは「BだからA・・・なるほど、今、逆説的にとおっしゃいましたが、たしかにその通りだと思います。今、矢島さんに言ってもらって、あらためて気づきました。」と答えて下さったんです。
この何気ないやりとりに、実は大きなテクニックが隠されています。
そのテクニックとは「オウム返し」「しりとり式」「パーソナルな一言」この3つです。
まず、「BだからA」と僕の発言をそのまま引用し、「今、逆説的にとおっしゃいましたが」と僕の言葉を拾って話題を展開し、「矢島さんに言ってもらって」と僕個人とのコミュニケーションだからこそ成立した、と言ってくれているんですね。
単純なことのように思えるかもしれませんが、これ、やってもらえるとすごくうれしいんです!
あまりにうれしかったので、「僕もお返ししなければ!」と思い、その後、同じようにテクニックを使ってお返事する場面もありました。
心なしか、このようなやりとりを通じて、お互いの距離がグッと近づいた気がします。
収録当初は、少々お堅い印象のあった大串さんですが、収録後には「あ、感性を磨くための第一歩は何かと聞かれましたけれど、この本を買うことです、って言えばよかったですね。1冊じゃ感性は磨かれないから、30冊くらい買いましょう、って(笑)」というジョークまで飛び出すくらい打ち解けていました。
どんなビジネスにも必要になってくるコミュニケーション、そしてその際の「感性」の重要性、大人になるほど不足しがちなこの要素を、この本で磨いてみてはいかがでしょうか?30冊くらい買ってみましょう(笑)
(文/ブックナビゲーター・矢島雅弘)
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【矢島雅弘の「本が好きっ!」】
ブックナビゲーター・矢島雅弘による書評ラジオ。毎回、話題の本の著者が登場して、本について掘り下げるインタビューを届ける。
オーディオブック配信サービス・FeBeにて無料配信中。http://febe.jp/honga
ここのところ、自己啓発系の本ばかり読んでいたので、久々にロジカルな著者さんにお会いできるぞ、と楽しみにしていましたが、そのことを大串さんにお話しすると「それほどロジカルな人間でもありませんが・・・」と苦笑されてしまいました。
すると大串さんは「なるほど、確かに、これから何を話すかを事前に提示する、というのは日頃から気をつけていますね」と同意してくださり、以下のようなお話をして下さいました。
そもそも大串さんはビジネスコミュニケーション全般の講師であり、コンサルティング業務も手掛けている方です。「ロジカル」と「感性」この両方をバランスよく備えているからこそ、コミュニケーションについての具体的なノウハウを提示し、その定量的分析をすることができるんですね。
いわゆる「感性」だけで仕事をしている天才肌の人間は、そもそも大串さんのような話し方、書き方はしないでしょうし、できない、またその必要性すら感じないでしょう。「感性」という数値化できないものを、論理的に説明し、その必要性を説くことができる。これが大串さんの強みなのではないかと思います。
さて、今回の収録で僕が「すごい!」と思ったのは、大串さんの「話を聴くテクニック」です。本書でも説明されていますが、改めて目の前で実践されると、こんなにうれしいことはないのだなと、その効果に驚きました。
それはどんなものかというと、僕が「AがBならば、逆説的にBだからAとも言えそうですね」とお話をしたところ、大串さんは「BだからA・・・なるほど、今、逆説的にとおっしゃいましたが、たしかにその通りだと思います。今、矢島さんに言ってもらって、あらためて気づきました。」と答えて下さったんです。
この何気ないやりとりに、実は大きなテクニックが隠されています。
そのテクニックとは「オウム返し」「しりとり式」「パーソナルな一言」この3つです。
まず、「BだからA」と僕の発言をそのまま引用し、「今、逆説的にとおっしゃいましたが」と僕の言葉を拾って話題を展開し、「矢島さんに言ってもらって」と僕個人とのコミュニケーションだからこそ成立した、と言ってくれているんですね。
単純なことのように思えるかもしれませんが、これ、やってもらえるとすごくうれしいんです!
あまりにうれしかったので、「僕もお返ししなければ!」と思い、その後、同じようにテクニックを使ってお返事する場面もありました。
心なしか、このようなやりとりを通じて、お互いの距離がグッと近づいた気がします。
収録当初は、少々お堅い印象のあった大串さんですが、収録後には「あ、感性を磨くための第一歩は何かと聞かれましたけれど、この本を買うことです、って言えばよかったですね。1冊じゃ感性は磨かれないから、30冊くらい買いましょう、って(笑)」というジョークまで飛び出すくらい打ち解けていました。
どんなビジネスにも必要になってくるコミュニケーション、そしてその際の「感性」の重要性、大人になるほど不足しがちなこの要素を、この本で磨いてみてはいかがでしょうか?30冊くらい買ってみましょう(笑)
(文/ブックナビゲーター・矢島雅弘)
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