歴史アイドル“歴ドル”が「それだけはやめて!」と思う瞬間って?
「もし、歴史上の人物がラジオ番組のレギュラーになったら?」
という、ありそうでなかったインターネットラジオが誕生した。その名も「タイムマシーンRADIO by 歴史Web2.0」だ。構成作家を務めるのは、「オードリーのオールナイトニッポン」など数々の名ラジオ番組を手掛けてきた藤井青銅さん。
江戸八百八町の話題を伝える「大江戸わいわいワイド」や、ゆるいトークが話題の「義経・弁慶のオール源氏ニッポン」、新しもの好きの武将ならぜひ聞いておきたい「戦国・お得なショッピング!『鉄砲伝来』」など、時代の「リアルタイム感」が十分に味わえる
「歴史をより身近に」という想いから、『【悲報】本能寺で何かあったらしい……光秀ブログ炎上中! 歴史Web2.0』(日本文芸社刊)のスピンオフとして生まれたこの企画に、なんと「歴ドル」として活躍中の小日向えりさんが参戦! 大坂夏の陣の直前の淀殿、清少納言をライバル視する紫式部、そしてジョン万次郎に英語を教えてもらいながら自著『いざ、真田の聖地へ』(主婦と生活社刊)をアピールする本人役を演じている。
そこで私、新刊JP編集部の金井元貴が、収録直後の2人を直撃! 2冊の本について、歴ドルについて、いろいろとお話を聞いてきた!
(取材・文・写真/金井元貴)
■アマゾンレビューの評価をひたすら気にする歴史アイドル
金井:まずは小日向さんに、今日の「タイムマシーンRADIO」の収録、いかがでしたか?
小日向えりさん(以下、小日向):ラジオパーソナリティはずっとやっているのですが、こういったラジオドラマって初めてで、私は本格的なお芝居をほとんどしたことがないので本当に緊張しました。「どうしよう」ってずっと不安でしたね。
藤井青銅さん(以下、藤井):お上手でしたよ。
小日向:ありがとうございます(笑)そういう風に褒めてくださって、ほっとしました。楽しかったです(笑)
藤井:淀殿っていいなと思いましたよ。「ああ、この人、この後に死ぬのを知らないんだ」って。
金井:この回の設定では、大坂夏の陣の直前ですよね。
藤井:だから、このときはまだ淀殿は生き残るつもりなんですよ。
小日向:先日出版させていただいた本の中で、大坂城の山里曲輪の自刃の碑という淀殿が自刃した場所を取り上げているんですけど、それが言いたくても言えなくて。
藤井:でも、歴史ってそういうことなんですよね。私たちは結果を知っているから話せてしまうけれど。
小日向:そうなんですよね。関ヶ原の戦いも、どちらも最後まで勝つつもりで戦っていますし。リアルタイム感を持って歴史を見ることって大事だと思いますし、そうすることで歴史上の人物たちが一気に身近になると思います。
金井:今回、小日向さんは淀殿と紫式部を演じられましたが、どちらの人物がやりやすかったですか?
小日向:どっちだろう…。やりやすいという意味では、紫式部の方がキャラクターは立っていたと思います(笑)。でも、自分とは真逆のベクトルでした。
藤井:ちょっと嫌なキャラクターだからね。でも合っていましたよ。「これは地かな?」と思ってしまいました。
小日向:うーん、どこかに秘めているのかもしれないですね(笑)。でも、紫式部が『源氏物語』に対して必死になる気持ちってすごくわかるんですよ。私は自分が叩かれてもあまり気にならないんですけど、本についてアマゾンレビューとかで悪く書かれると「それだけはやめてくれ!」って思います。
藤井:あー、やっぱり気になりますか?
小日向:アマゾンのレビューはすごく見ます。エゴサーチはしないけれど、本の評価は調べますね。我が子のような存在なので。
■真田幸村の萌えポイントは「ギャップです」
金井:小日向さんが今回出された本は『いざ、真田の聖地へ』ということで、真田一族のゆかりの地をめぐる内容になっていますが、真田幸村はどんな人物だと思いますか?
小日向:私にとっては上司にしたい人物ですね。お兄さんの信之が、幸村は普段はすごく穏やかで言葉数も少ないと言っているんですね。でも、戦ではやるときはやるし、リーダーシップを発揮して活躍するじゃないですか。こういうリーダーについていきたいですよね。
金井:なるほど。幸村の最大の萌えポイントはどこですか?
小日向:ギャップの部分です。普段は穏やかだけど、戦のときは獅子奮迅の活躍をするところが。大坂の陣までまったくの無名だったのに、すごい活躍を見せて「物語でもこんなヒーローはいない」と絶賛された人物なので、かっこいいなあと思いますね。
金井:青銅さんは真田幸村という人物に対して思い入れはありますか?
藤井:まあ、思い入れはたいしてないのですが(笑)、真田というところでいうと、「真田紐」ってあるじゃないですか。あれはもともと武士の内職で作られていたものなんですね。それで、これは別の本にも書いたんだけど、サナダムシっていう寄生虫がいるじゃないですか。真田紐に似ているからサナダムシって名付けられたんですけど、真田も強い家にくっついて生き延びてきたわけですよね。時流を読んで主君を変えて、家を存続させる。それが真田という家の生き方なんです。でも、弱い者、自力のない者っていうのはそういう生き方をしないと生き延びられない。どんなことをしても生き延びないといけないわけですから。そこに真田という一族のあり方が凝縮されているので、僕はすごく好きなんですよ。
金井:ちなみに、先ほど小日向さんがおっしゃっていた幸村の萌えポイントについてはいかがでしょうか。
藤井:その部分はね、女の子が惚れなきゃ人気は出ないですからね。
小日向:徳川家康にあまり萌え要素はないんですよね。
藤井:なぜでしょうね。実際のルックスは分からないのに。
小日向:幸村も亡くなったときは50歳近くでしたしね。
藤井:けれども、後々になって萌える人と萌えない人が出てくるわけですよ。戦国武将といえども、若い女性に好感を持たれないと、今の時代はダメなんでしょうね(笑)。
【後編は3月11日(金)配信予定!】
■小日向えりさんプロフィール
1988年生まれ。奈良県出身。横浜国立大学教育人間科学部卒業。歴ドル(歴史アイドル)の草分け的存在。信州上田観光大使の他、関ケ原観光大使や会津親善大使も務める。
■藤井青銅さんプロフィール
山口県出身。第一回「星新一ショートショートコンテスト」入選を機に作家となり、その後、脚本家・放送作家としての活動に入る。歴史関係の著書も多く、本 書の旧版である『歴史Web』(日本文芸社)や、『「超』日本史』(扶桑社)、『笑ふ戦国史』(芸文社)、『1時間でパッとわかる なるほど現代世界史』(静山社)、『日本人はなぜ破局への道をたどるのか?』(ワニブックス)などがある。
■「タイムマシーンRADIO by 歴史Web2.0」
https://www.youtube.com/channel/UCTCG54a0L38jNbO76g1QKnQ
という、ありそうでなかったインターネットラジオが誕生した。その名も「タイムマシーンRADIO by 歴史Web2.0」だ。構成作家を務めるのは、「オードリーのオールナイトニッポン」など数々の名ラジオ番組を手掛けてきた藤井青銅さん。
江戸八百八町の話題を伝える「大江戸わいわいワイド」や、ゆるいトークが話題の「義経・弁慶のオール源氏ニッポン」、新しもの好きの武将ならぜひ聞いておきたい「戦国・お得なショッピング!『鉄砲伝来』」など、時代の「リアルタイム感」が十分に味わえる
「歴史をより身近に」という想いから、『【悲報】本能寺で何かあったらしい……光秀ブログ炎上中! 歴史Web2.0』(日本文芸社刊)のスピンオフとして生まれたこの企画に、なんと「歴ドル」として活躍中の小日向えりさんが参戦! 大坂夏の陣の直前の淀殿、清少納言をライバル視する紫式部、そしてジョン万次郎に英語を教えてもらいながら自著『いざ、真田の聖地へ』(主婦と生活社刊)をアピールする本人役を演じている。
そこで私、新刊JP編集部の金井元貴が、収録直後の2人を直撃! 2冊の本について、歴ドルについて、いろいろとお話を聞いてきた!
(取材・文・写真/金井元貴)
■アマゾンレビューの評価をひたすら気にする歴史アイドル
金井:まずは小日向さんに、今日の「タイムマシーンRADIO」の収録、いかがでしたか?
小日向えりさん(以下、小日向):ラジオパーソナリティはずっとやっているのですが、こういったラジオドラマって初めてで、私は本格的なお芝居をほとんどしたことがないので本当に緊張しました。「どうしよう」ってずっと不安でしたね。
藤井青銅さん(以下、藤井):お上手でしたよ。
小日向:ありがとうございます(笑)そういう風に褒めてくださって、ほっとしました。楽しかったです(笑)
藤井:淀殿っていいなと思いましたよ。「ああ、この人、この後に死ぬのを知らないんだ」って。
金井:この回の設定では、大坂夏の陣の直前ですよね。
藤井:だから、このときはまだ淀殿は生き残るつもりなんですよ。
小日向:先日出版させていただいた本の中で、大坂城の山里曲輪の自刃の碑という淀殿が自刃した場所を取り上げているんですけど、それが言いたくても言えなくて。
藤井:でも、歴史ってそういうことなんですよね。私たちは結果を知っているから話せてしまうけれど。
小日向:そうなんですよね。関ヶ原の戦いも、どちらも最後まで勝つつもりで戦っていますし。リアルタイム感を持って歴史を見ることって大事だと思いますし、そうすることで歴史上の人物たちが一気に身近になると思います。
金井:今回、小日向さんは淀殿と紫式部を演じられましたが、どちらの人物がやりやすかったですか?
小日向:どっちだろう…。やりやすいという意味では、紫式部の方がキャラクターは立っていたと思います(笑)。でも、自分とは真逆のベクトルでした。
藤井:ちょっと嫌なキャラクターだからね。でも合っていましたよ。「これは地かな?」と思ってしまいました。
小日向:うーん、どこかに秘めているのかもしれないですね(笑)。でも、紫式部が『源氏物語』に対して必死になる気持ちってすごくわかるんですよ。私は自分が叩かれてもあまり気にならないんですけど、本についてアマゾンレビューとかで悪く書かれると「それだけはやめてくれ!」って思います。
藤井:あー、やっぱり気になりますか?
小日向:アマゾンのレビューはすごく見ます。エゴサーチはしないけれど、本の評価は調べますね。我が子のような存在なので。
■真田幸村の萌えポイントは「ギャップです」
金井:小日向さんが今回出された本は『いざ、真田の聖地へ』ということで、真田一族のゆかりの地をめぐる内容になっていますが、真田幸村はどんな人物だと思いますか?
小日向:私にとっては上司にしたい人物ですね。お兄さんの信之が、幸村は普段はすごく穏やかで言葉数も少ないと言っているんですね。でも、戦ではやるときはやるし、リーダーシップを発揮して活躍するじゃないですか。こういうリーダーについていきたいですよね。
金井:なるほど。幸村の最大の萌えポイントはどこですか?
小日向:ギャップの部分です。普段は穏やかだけど、戦のときは獅子奮迅の活躍をするところが。大坂の陣までまったくの無名だったのに、すごい活躍を見せて「物語でもこんなヒーローはいない」と絶賛された人物なので、かっこいいなあと思いますね。
金井:青銅さんは真田幸村という人物に対して思い入れはありますか?
藤井:まあ、思い入れはたいしてないのですが(笑)、真田というところでいうと、「真田紐」ってあるじゃないですか。あれはもともと武士の内職で作られていたものなんですね。それで、これは別の本にも書いたんだけど、サナダムシっていう寄生虫がいるじゃないですか。真田紐に似ているからサナダムシって名付けられたんですけど、真田も強い家にくっついて生き延びてきたわけですよね。時流を読んで主君を変えて、家を存続させる。それが真田という家の生き方なんです。でも、弱い者、自力のない者っていうのはそういう生き方をしないと生き延びられない。どんなことをしても生き延びないといけないわけですから。そこに真田という一族のあり方が凝縮されているので、僕はすごく好きなんですよ。
金井:ちなみに、先ほど小日向さんがおっしゃっていた幸村の萌えポイントについてはいかがでしょうか。
藤井:その部分はね、女の子が惚れなきゃ人気は出ないですからね。
小日向:徳川家康にあまり萌え要素はないんですよね。
藤井:なぜでしょうね。実際のルックスは分からないのに。
小日向:幸村も亡くなったときは50歳近くでしたしね。
藤井:けれども、後々になって萌える人と萌えない人が出てくるわけですよ。戦国武将といえども、若い女性に好感を持たれないと、今の時代はダメなんでしょうね(笑)。
【後編は3月11日(金)配信予定!】
■小日向えりさんプロフィール
1988年生まれ。奈良県出身。横浜国立大学教育人間科学部卒業。歴ドル(歴史アイドル)の草分け的存在。信州上田観光大使の他、関ケ原観光大使や会津親善大使も務める。
■藤井青銅さんプロフィール
山口県出身。第一回「星新一ショートショートコンテスト」入選を機に作家となり、その後、脚本家・放送作家としての活動に入る。歴史関係の著書も多く、本 書の旧版である『歴史Web』(日本文芸社)や、『「超』日本史』(扶桑社)、『笑ふ戦国史』(芸文社)、『1時間でパッとわかる なるほど現代世界史』(静山社)、『日本人はなぜ破局への道をたどるのか?』(ワニブックス)などがある。
■「タイムマシーンRADIO by 歴史Web2.0」
https://www.youtube.com/channel/UCTCG54a0L38jNbO76g1QKnQ