お寺の住職が教える気持ちの整えかた

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人には喜怒哀楽があり、ときにはその感情に心が振り回されてしまうこともある。しかし、ひとつの感情にとらわれ、その感情に引きずられることは、結局、自分の人生そのものを生きづらくしていることにもなる。

では、どうすればいいのか。心晴れやかに上機嫌で生きるための心を整理する50の言葉を紹介する『感情の整理ができる人は、人生うまくいく』(枡野俊明著、SBクリエイティブ刊)からご紹介しよう。

■むやみに数を気にしない

感情と上手に付き合うには、常識や当たり前のことから自由になることだ。

たとえば、数を気にしないこと。ツイッターやフェイスブックなど、ネット上の知り合いを増やし、多ければ多いほどいいと思っている人は少なくないだろう。友達が多いのが良くて、少ないのは良くないこと。そんな勘違いをしている大人は多い。本当に分かり合える友は2、3人いれば十分。たった1人でも構わない。上辺ばかりの友人を増やしたところで、心の支えにはならない。

■無理やり人をつなぎとめようとしない

「把手共行」という禅語がある。共に手を取り合って生きていくという意味だ。苦しいとき、悲しいとき、互いに励まし合いながら人生を歩んでいくことができる。そういう人間関係を築くことこそが大事だ。

この信頼関係を築くためには時間が必要であると桝野氏は述べる。考え方をぶつけ合ったり、心の中をさらけ出したりして、少しずつ信頼関係を作っていく。もしも、2人に隔たりができて埋められなくても、それは仕方のないこと。無理やりつなぎ止めようとせずに、自然の流れに任せる。いつの間にか関係が薄れていったとしても、これもまた1つの人間関係。そうして残った数人の友を大切に生きていけばいい。

■万人にやってくるご縁を見逃さない

運がいい悪いという言い方もするが、運というものは自分自身で変えられるものだという。「ご縁」という言葉があるが、寺の住職である枡野氏はこれを「因縁を結ぶ」という言い方をするという。「因」は「原因」のこと。何か原因があるから、ご縁を結ぶことができる。そして、善きご縁を結ぶには、その原因を作り出す普段の努力が大切ということだ。また、ご縁は万人に平等にやってくるもので、普段からその縁を見逃さないこと。「因縁」を良縁にするも悪縁にするも、すべて自分次第ということだ。

うまくいくこともあれば失敗して落ち込むこともある。マイナスなことだけでなく、何かいいことや楽しいことがあったときでも、浮かれすぎて失敗することもある。日々、さまざまな感情を抱きながら生きている。そのときの感情に流されず、自分の感情とうまく向き合う術を身につければ、人生が豊かになるはずだ。
(新刊JP編集部)