市立戸塚高等学校(神奈川)
神奈川県横浜市戸塚区にある市立戸塚高等学校。開校は1928年(昭和3年)と80年以上の歴史を持ち、戸高の通称で親しまれています。普通科音楽コースが平成26年に新設されており、音大など、音楽の道を目指す生徒たちが吹奏楽部と連携を取りながら学んでいます。モデルのマギーさんも、戸塚高校のOG。ダンス部で活躍していたそうです。
野球部は、昨夏の県大会で桐蔭学園を破るなどしてベスト16に進出。昨秋の県大会では法政二を相手に、延長の末5点差をひっくり返して勝利するなど、激戦区・神奈川の中でも底力のあるチームです。昨夏のベスト16を超え、その先へ。意欲に燃える戸塚高校の冬に迫ります。
■戸塚高校の遠田 利恩君(学年:2年/役職:主将)にお話を伺いました!
Q. 部員は何人いますか?
1年生が15人、2年生が17人います。
Q. 練習のグラウンド環境を教えてください。
平日の午後は他の部活動と併用の為、ダイヤモンドのみのグランドスペースです。また、定時制の関係で午後7時に完全下校となってます。休日は半日ですが、グランド全面が使えます。
全面は半日だけですか。普段の練習も短そうですし、工夫のしがいがありますね。
今年のチームについて遠田利恩主将(市立戸塚高等学校)
Q. 今年のチームのウリ(セールスポイント)を3つ教えてください。
守備力、足を絡めた攻撃、全力の移動、の3つです。
Q. このオフシーズンではチームとしての目標を教えてください。
春季関東大会出場です!
Q. 力強いですね。そんな力強い遠田君でも、オフシーズンの練習でこれはキツイ…というものはありますか?
トレーニングプレートやダンベルを使用した体幹トレーニングです。
Q. 地味に効くやつですね。でもじっくりと体も強くなりそうですね。ではその練習を乗り越えて、春夏はどんな目標を抱いていますか?
春は関東大会出場。そして、夏は甲子園1勝です。
[page_break:秋の大会を振り返って]秋の大会を振り返ってQ. 秋の大会はチームにとって、どんな大会でしたか?
前の代で出場していたメンバーがおらず、経験値がない中で初めて臨んだ大会であり、攻守で夏に練習したことができた半面、東海大相模の前では、自分たちの野球ができずにレベルの差を実感できた大会でした。
Q. 激戦区・神奈川はもとより、全国の覇者ですからね。でも、3回戦では法政二を相手に素晴らしい粘りを見せ、延長の末サヨナラ勝利を収めました。集中力を保つために意識していることや、実践していることはありますか?(試合レポート)
「緊張感」をテーマにどの練習にも取り組んでいます。ランナー付きノックなどの実戦練習では、ミスに対しての厳しい声かけや、いいプレーに対する声かけを全力でやっています。
Q. ここでもやっぱり全力なんですね!では秋の大会を踏まえて、あらためてこの冬に強化したい点、取り組んでいる練習メニューなどはありますか?
東海大相模の北村 朋也投手の前では自分たちのバッティングが通用せず、私学の選手との体格の差を実感したので、食事やウエイトトレーニング、体幹トレーニングで体を作りたいです。また、重たいバットを使いスイング強化をするようになりました。
Q. 具体的に対策を立てているんですね。素晴らしいです。さて、チームの中で、秋に活躍した仲間を紹介してください。
小橋 幸貴です。秋の大会では3塁コーチャーを務め、法政二戦(試合レポート)では9回に先頭の代打でヒットを放ち、的確な判断と勝負強いバッティングで活躍しました。
Q. そういう選手がいてくれると心強いですね!続いて、チームの中で春以降キーマンとなってくれるであろう選手を教えてください。
川端 航です。副キャプテンとしてもチームをまとめる立場で攻守においても要であり、春にはプレーでチームを引っ張る活躍を期待しています。
Q. 副主将ということは、遠田主将の右腕ですね。さて、2年生にとっては最後となるオフシーズン。1年生にとっては、初めてのオフシーズンだと思いますが、春に向けてどんな冬にしたいですか?
レギュラーの確約がなく、1年生も2年生も野球では学年は関係ないですから、積極的に取り組んでいて競争率が高いと思います。できる練習に全力で取り組み、春にはパワーアップした戸塚の野球ができるように充実した冬にしたいです。
遠田主将、ありがとうございました!
[page_break:指導者が語る!このチームの強み]ここからは、川端 航君、大村 望森君、中川 京也君、そしてグランド整備隊長の原田 太郎君にお話を伺います!
川端航副主将(市立戸塚高等学校)
Q. 高校野球が好きな理由は何ですか?じゃあまずは、キーマンに指名された川端君。
川端 航(以下「川端」):高校スポーツの中で最もファンが多くて、誰もが注目するところです。
Q. 確かに注目は浴びますよね。皆さんはどうですか?
大村 望森(以下「大村」):小学5年の時に初めて高校野球の試合を見て、選手の声や全力疾走しているところなど、プロ野球とは全く違う感じがして好きになりました。
原田 太郎(以下「原田」):自分やチームの目標のために練習を重ね、ライバルに勝つために、試合に勝つために、自分ができることを全力でぶつけていく。それをする中で学べることが多くあるところですね。
中川 京也(以下「中川」):チーム全員が同じ目標に向かって努力し、日々部員同士が切磋琢磨してチームで勝利をもぎ取っていき、その喜びをチーム全員で共有できるところです。
大村望森選手(市立戸塚高等学校)
Q. みなさん、高校野球大好きですね。ガンガン伝わってきます。ではこの冬はどんな風に過ごしていきたいですか?
川端:身体をしっかりと鍛え、春に私学と戦えるだけの土台を作ることを目標として、一日一日練習に励んでいきたいです。中川:そうだね。チームで掲げている「神奈川トップ2」に入ることができるように、自分も、チームも武器となるものを手に入れる冬にしたいです。原田:なので、自分は体重3キロアップ!長打力もある打者への成長を目指します。大村:自分は10月から12月まで腰を怪我してしまっていて、思うように練習に参加できずにきてしまったんです。だからここから取り返すつもりでやり、個人のプレーを向上させて春・夏につなげられるような冬にしたいです。
原田太郎選手(市立戸塚高等学校)
Q. 大村君の追い上げが始まっているわけですね!では、野球をする上でモットーにしている好きな言葉を教えてください。
大村:「緊張感」です。この言葉はチームでも大切にしている言葉です。実際の試合では必ず緊張すると思います。なので常日頃から緊張感をもって練習に取り組んだり、日常生活も緊張感をもって過ごすことで本当の戦いのときに全力を出せるのではないかと思っています。
中川:「努力は無限」です。自分自身に限界を作らないように、この言葉をモットーにしています。川端:「目標がその日その日を支配する」。横浜高校・渡辺 元智終身名誉監督の言葉です。
Q. 川端君はライバルの名言ですね。良い言葉ですよね。「緊張感」は遠田主将も言ってました。チームとして徹底されているんですね。さあ、満を持して原田隊長、お願いします。
原田:初心、忘るべからず。
中川京也選手(市立戸塚高等学校)
Q. ありがとうございます。最後に『自分はここまで成長するぞ!』と、いう熱い宣言と夏までの目標をお願いします。
川端:絶対に対戦したくないと思われるようなバッターになります。夏までに20本塁打打ちます。原田:目指すは「県ナンバーワンスラッガー」!チャンスに熱く、強い打者になります。
中川:体重を80キロに増やして戦える体を作っていきます。また、戸塚のエースとしてどんな相手でも立ち向かえる強い投手になり、チームの柱になる存在になります。夏までの目標は、まず春、神奈川でトップ2に入ることです。
大村:戸塚高校のグランドは他の部活との兼ね合いで限られたスペースで練習しなければなりません。その限られたスペースでできる練習を「緊張感」をもって取り組み、試合のチャンスでしっかりと打てるバッターに成長できるように努力していきます。昨年の夏は先輩方が桐蔭学園を倒しベスト16まで行きました。今年はまず昨年のベスト16を越え、決勝の「神奈川トップ2」まで行き、力を出せるように日々成長していきたいと思います。
川端君、中川君、大村君、原田君、ありがとうございました!神奈川トップ2、期待しております!
指導者が語る!このチームの強み■的場 章部長に質問!
Q. 今年のチーム、これまでの戦いを振り返ってどう見ますか?
昨夏の県予選大会のスターティングメンバーはすべて3年生で、ベンチに入った2年生も2人いましたが、ほぼ試合経験はゼロに等しい状態のスタートでした。その為、基本的なキャッチボールやバントなどを大事にして、夏の練習試合で出た反省をつぶしていく作業は多く行いました。その結果秋の県大会では、粘り強く戦うことを多少覚え5点差を追いつくなどして、なんとか3つ勝ちベスト16まで進出できたと思っています。(試合レポート)
しかし、ベスト16で東海大相模さんには、当然ですがしっかりと力の差を見せつけられました。体の大きさの違い、またスイング・スローイング・脚力と全てにおいて、ハッキリと力の差、スピードの差を感じることができました。冬の練習は、その経験を活かして差を埋めるためにトレーニングにも積極的に取り組ませて、基礎体力の向上、基本技能の確認、すべての面のスピードアップを図っています。
Q. 全国トップの力を体感できたのは大きいかもしれませんね。選手達もその差を前向きにとらえヤル気に満ちていました。最後に、厳しいトレーニングに取り組んでいる選手達へ一言お願いします!
みんなも言っていた通り、戸塚高校の野球環境は強豪私学と比べ決して恵まれているとは言えません。しかし、そこは選手の「ビジョン」と「行動力」で補えると私は考えます。今できること、目の前のことを確実に全力でやり、1日1日必ず成長しましょう。私も頑張ります!
的場先生、ありがとうございました!先生も生徒も前向きに燃えるチーム。この冬の成長が楽しみです。春夏の戸塚、怖い存在になりそうですね!