初日の出が登る瞬間を空から眺める。地上は曇りでも雲の上に行くため、必ず初日の出が見られるのもこのフライトの特徴(チャーリィ古庄撮影)。

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毎年恒例で、“元旦の名物”ともされるエアライン各社の「初日の出フライト」。実は「飛行機」の特徴を活用したフライトだったりします。また、機内からそうした初日の出などをキレイに撮るには、どうしたら良いのでしょうか。

“元旦の名物”である「初日の出フライト」

 毎年、“元旦の名物”であり縁起物の「初日の出フライト」が、エアライン各社によって運航されています。2016年も羽田、成田、中部、北九州などの各空港からの便があり、窓側席は少々お値段が高くてもすぐに満席になるほどの人気です。

 羽田や成田発の一般的なものでは朝6時頃に離陸し、上空で初日の出を見るこのフライトには“ある特徴”が存在します。

 ひとつは“羽田発羽田着”など、ほかの目的地へ行かずに上空で周遊し、同じ空港に戻ってくるということです。もっとも、これはフライトの性格から当たり前に思うかもしれませんが、もうひとつ、大きな特徴があります。左右の窓側にいる乗客へ、公平に初日の出を見せるということです。

 飛びかたの一例を挙げると、最初は高い高度で飛行し、進行方向右側の人に昇ってくる瞬間の初日の出を見せます。そして高度を下げたのち、今度は進行方向左形の人に昇ってくる瞬間の初日の出を見せます。

 ここで疑問に思うかもしれません。なぜ“昇ってくる瞬間”の初日の出を2回、乗客へ見せることができるのでしょうか。

飛行機の特徴を活かしている「初日の出フライト」

 ポイントは“高度を下げる”です。目線が低くなったことにより太陽が地平線・水平線の下へ消えるため、再び昇ってくる瞬間の初日の出を拝めるというわけ。

 もちろん、ほかの飛行機も飛んでいること、管制の指示や天候、揺れ具合によって必ずしもそのような飛行コースが可能というわけではありませんが、「飛行機」という“三次元の乗りもの”ならではの、高度差を活かした演出が行われるのが「初日の出フライト」なのです。

 また、羽田や成田発のフライトではご来光を見たあとに富士山上空へ向かい、「初日の出」と合わせて「初富士」を空から眺めるコースが一般的です。

 ちなみに、この「初日の出フライト」は朝の早い時間に出発するため、おせち風機内食や紅白饅頭などが機内でサービスされることも。空を飛びながらお正月気分に浸れるのも、このフライトの特徴です。

機内から写真を上手く撮るコツ

 飛行機の機内からキレイな写真を撮るのは、カメラの扱いに慣れている人でも意外と難しいものです。理由として、飛行機のガラスは三重になっているため反射しやすいこと、機内の自分や照明の映り込みがあることが挙げられます。

 そのためキレイな写真を撮りたいならば、「黒」など反射しにくい色の服を着るのがポイント。また反射していたら、手などでガラスを覆うことによりそれを緩和させることができます。

 またデジタル一眼レフカメラならば、絞りは開放に近いほうが良いでしょう。窓の汚れを拾ってしまうことがあるからです。

 あとはコンパクトデジカメでも携帯のカメラでも、地平線・水平線をまっすぐにするよう気をつければ、キレイに安定した構図で「初日の出」などを撮影できます。また、座る場所によっては構図にエンジンや翼を入れることにより、「機窓の景色」ということを記録に残すことも可能です。ぜひチャレンジして、キレイな写真をたくさん撮ってください。