TPPでどう変わる!? 外国人に聞いた、日本で「高い」商品・「安い」商品
日本と海外で値段が大きく違う商品とはどんなものだろうか。そこで、日本在住の外国人の方に、日本で暮らしていて「高い」と思う商品、「安い」と思う商品をそれぞれ聞いてみた。
○日本ではこの商品が高い!--「果物」「野菜」「乳製品」
・「果物、特にりんごが非常に高いです。ポーランドだと1キロ60円ぐらいで、すっぱくておいしいりんごを売ってくれます」(ポーランド/30歳/女性)
・「日本は果物が非常に高いと思いました。母国は以前は果物や野菜が安く買えました(今は違うけど…)」(シリア/35歳/男性)
・「果物」(インドネシア/36歳/男性)(中国/28歳/男性)
・「野菜や果物です。例えば日本ではトマト一個が100円する一方、エジプトではトマト1キロ20円で買える時もあります」(エジプト/33歳/男性)
・「新鮮な食材が高いと思います。例えばリンゴは5個を200円で買えます。痛み止めの薬も高いです。イギリスではノーブランドの痛み止め薬は12円で買えます」(イギリス/31歳/女性)
・「日本産の青果はかなり高いと感じました。母国は四季のない国なので、青果の生産量は日本より多いから、値段も手頃です」(マレーシア/31歳/女性)
・「日本の食べ物は母国と比べて非常に、信じられないくらい高いです」(ロシア/31歳/女性)
・「母国と比べて果物やチーズ・ナッツなどが高いです」(イラン/28歳/女性)
・「バターやチーズが高い」(フランス/35歳/男性)
・「チーズやバターなどの乳製品。価格が高く種類が少ない」(チェコ/58歳/男性)
・「野菜、果物、チーズ、バーター、チョコレート」(ブルガリア/33歳/女性)
・「日本ではオリーブオイルが高いです。母国ではオリーブオイルがたくさん作られるから安いです」(ギリシャ/33歳/男性)
・「牛肉が高いです」(モンゴル/39歳/女性)
・「米です」(フィリピン/35歳/女性)
・「食べ物」(ベトナム/36歳/男性)
・「食料(魚以外)、電車代、バス代」(ウクライナ/25歳/男性)
・「外食全般」(韓国/34歳/男性)
・「お酒類が高い」(香港/34歳/女性)
・「電気製品とか洋服とか、欧米で作られたものなら、台湾のほうが少し安くなってます。もちろんブランドによります」(台湾/30歳/女性)
○日本ではこの商品が安い!--「電化製品」「車」「バナナ」「100円均一の商品」
・「コンピュータや車、電気製品は信じられないくらい安いです。母国では1カ月の給料でノートパソコンが買えません。日本だと、2-3台買えます」(ロシア/31歳/女性)
・「日本製のものは基本日本で買ったほうが安いですね! 電気製品とか洋服とか」(台湾/30歳/女性)
・「電気製品などは、日本のほうが品質の割には安いです」(ベトナム/36歳/男性)
・「電化製品」(インドネシア/36歳/男性)
・「電気機器、ブランド商品、服」(ブルガリア/33歳/女性)
・「母国より安いのは車です。特に日本産の車は母国より安く買えます」(イラン/28歳/女性)
・「日本ではバナナが安いです。母国では高いです」(ギリシャ/33歳/男性)
・「お寿司は安い。フランスのお寿司は美味しくないし高い」(フランス/35歳/男性)
・「100円ショップの商品は種類が多くすべて安い」(チェコ/58歳/男性)
・「水、ブランドじゃない洋服、カメラ、パソコンなど」(ウクライナ/25歳/男性)
・「給料から考えるという話なんですが、やはり化粧品は安いです」(ポーランド/30歳/女性)
・「ラグジュアリーや化粧品などだと思う」(中国/28歳/男性)
・「タバコは安い」(香港/34歳/女性)
・「安いのはお酒です。母国では酒税が高いので、スーパーで売っているお酒は日本の2倍の値段です」(マレーシア/31歳/女性)
・「野菜と魚が安いです。母国には海が無いのと、野菜農家が非常に少ないことが原因かも知れません」(モンゴル/39歳/女性)
○総評
外国人の方々が、日本で「高い!」と感じるのは、やはり「果物」「野菜」「乳製品」などの農畜産物だった。日本の農畜産物の価格が高いことは、TPP交渉を報じるニュースなどを通じても分かっていたつもりだが、やはり外国から日本に来た人々にとっては、その高さがより実感されるのだろう。
逆に外国人の方々が「安い!」と感じるのは、電化製品や車など、日本が得意とする工業製品が多いようだ。そのほか「安い!」と感じるのは、「バナナ」「100円ショップの商品」など、日本人もその安さの恩恵にあずかっている商品などだった。ただし、内陸で海がなく農地も少ないモンゴルの方にとっては、日本の野菜と魚が安く感じられるなど、各国それぞれの事情も反映されている。
TPPによって、農産物の価格はどうなっていくのか。安くなれば確かに消費者にとって恩恵があるが、農畜品を生産する農畜産家の経営・収入はどうなるのか? 「食糧安全保障」の観点からも、政府の政策を注意深く見守っていく必要がありそうだ。
(※本文と写真は関係ありません)
(石田哲也)