外国人観光客「東京の地下鉄はラビリンス」 複雑な路線図、ややこしい表記で迷子に
日本を訪れる外国人の増加に伴い、電車や地下鉄の乗り換えに苦労している外国人を目にすることも少なくない。
電鉄各社は案内の外国語表記を増やすなどして対応しているが、当の外国人からは目的地までの複雑な乗り換えで「迷子になった」という不満も出ている。
海外のネットでは、路線図が複雑すぎてネタに
「東京の地下鉄というラビリンス(迷宮)で迷子になった」
「どうやら私は成田空港駅で道に迷っているようだ」
「地下鉄の乗り換えが分からず苦闘している。東京のどこかで迷子になった...」
ツイッターには、東京周辺で電車や地下鉄の乗り換えが分からず迷子になった、という外国人の書き込みがたくさんある。
政府観光局によると、2015年は10月までの時点で、訪日外国人の数が1631万人を突破。過去最高を更新した。
それだけ多くの外国人がいれば、当然、初めて東京を訪れたという人もいる。実際に駅員に乗り換えを聞いている人を見たり、直接質問を受けたりしたことがある人も多いだろう。電鉄各社によると、東京や新宿など主要駅のほか、浅草や上野といった観光地周辺駅で外国人からの問い合わせが多いという。
たしかに東京の路線図は複雑だ。たとえば新宿駅はJR東日本をはじめ、京王や小田急の私鉄各線、東京メトロや都営地下鉄など5社が乗り入れている。しかもJRなら山手線や中央本線、埼京線、湘南新宿ラインがあったり、東京メトロなら付近に西新宿駅や新宿三丁目駅があったりしてややこしい。海外のネットでは、路線図が複雑すぎてネタにされることもある。
また乗り換えの際、駅構内の案内表示の矢印に従っても、結局進んだ先が枝分かれしているなどして迷ってしまうこともある。各社によると基本的には最短ルートが多く、駅ごとに分かりやすくなるよう工夫しているというが、外国人でなくとも骨が折れそうだ。
駅のナンバリングなどで電鉄各社は対応進めているが...
こうした外国人の戸惑いに、電鉄各社は対応を進めている。多言語での案内表記の拡充のほか、各線での取り組まれているのが、駅のナンバリングだ。
たとえば東京メトロの場合、路線のイニシャルを取って、丸ノ内線の東京駅は「M17」、新宿駅は「M08」となっている。日本語で駅名が読めなくても、アルファベットと数字なら分かりやすい、というわけだ。
そのほか東京メトロでは、英語や中国語などが対応しているアプリ「Tokyo Subway Navigation for Tourist」を2014年4月から無料で配信している。メトロや都営地下鉄を利用した場合のルートが表示される。駅員にアイパッドを持たせて、利用客に目で見て分かるよう説明できるサービスも行っているという。
JR東では東京駅や新宿駅で、外国語に対応できる窓口カウンターを設置した。