カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂――。「天国と地獄」のメロディーにキャッチフレーズをのせ、クマの人形がラインダンスするテレビCMは、東日本在住者なら一度は目にしたことがあるだろう。なお「二番」とは、かつての電話番号に由来するとされている。


このCMは、関東にある文明堂数社が共同で制作し、1960年代前半から放映されたもの。「カステラ一番、電話は二番」までのフレーズは、文明堂総本店(長崎県)や文明堂神戸店(兵庫県)でもCMに使用していたようだが、メロディーなどは異なる。

そのため関東では有名なフレーズだが、未放送地域では知名度が著しく落ちる。ましてや、外国人であれば、知るよしもない。あるツイッターユーザーは2015年11月12日、こんなツイートをしていた。

数字の「1」と皿に載せられたカステラ、「2」と黒電話、そして「3時」を示している掛け時計。前提知識があれば、すぐさまキャッチフレーズのことだとわかるが、初見では何を指しているのか、不思議になるのも当然だ。

「完璧に解釈できる外国人はエスパーの素質ある」

写真から推測すると、この商品は東京文明堂の「おやつカステラ」(250円)。ひとくちサイズの「3時」を強調するため、ぐにゃりと曲げられた時計は、どこかサルバドール・ダリを思わせる。



おそらく、ユーザーの知人は「1」「2」「3」が順序を表していると思ったのだろう。どんな「解釈」が出たのかは書かれていないが、「カステラを置いて、電話をかけて、その時を待つ」とでも考えたのだろうか。

最初のツイートは、1万回以上もリツイートされたが、CM未放映の地域出身者はピンと来ていないようだ。また、比較的若い年代にも通じない様子だ。

なお、毎月「3」の付く日は「おやつカステラの日」で、3つ買うと「こぐまのスウィングメモ」がもらえるという。きょうは15年11月13日。ピッタリのタイミングだったので、記者も3時のおやつとして買ってきた。久々のカステラは美味しかった。


「こぐまのスウィングメモ」