位置情報共有サービスの決定版「LINE HERE」を超ていねいに解説してみた
位置情報共有サービスとしては、他にもGoogleの「Google+（旧Google Latitude）」、Appleの「友達を探す」などがあります。これらのサービスとはどう違うのでしょうか。一ヶ月以上あれこれ使ってみたので解説していきます。なお、使用にはLINEアカウントかFacebookアカウントが必要（それらのアカウントを使ってログインする）です。
そもそも位置情報共有サービスとは？
位置情報共有サービスとは、登録したユーザー同士の間で位置情報を教え合うサービスです。スマートフォンのGPSを使い、場所を測定。アプリを開くと許可を与えたユーザー（のスマートフォン）がどこにいるのか、地図に表示されます。
使い方として一番多いのは、待ち合わせでしょう。今どこにいるのかがわかるため、いちいち確認をとらなくても待ち合わせ場所に向かっているのかどうか、すぐにわかります。
欠点は、家の位置もまるわかりになってしまうこと。「友達を探す」では常に情報を共有する仕組みのため、家にいるときも位置情報がわかってしまいます。よっぽど親しい仲でないと使いにくいのです。「Google+」では細かくオンオフにしたり、サークルごとに設定できますが、少し操作が面倒です。
「ルーム」ごとに位置情報を共有する
LINE HEREでは、その問題を「ルーム」で解決しています。従来のユーザー単位で許可を与え合う方式ではなく、まず一人が「ルーム」を作成。入室したユーザーの間で位置情報を共有します。
ルームには有効期限を設定できます。作成したてのルームは２時間に設定されていますが、24時間にしたり、時間制限をなくすことができます。例えば、今日これから会うから待ち合わせのために3時間有効のルーム作成や、安全のために子供の位置を常に把握することができます。ルームへはLINEやFacebook MessengerなどのSMSやURLを使って招待可能です。基本的にはすでに親しくやりとりをしている友人だけを招待しましょう。
ルームからはいつでも自由に退室できます。また、ルームに入っている状態でも、位置情報を共有しないというオプションも設定できます。位置情報をオフにすると、アイコンに「！」マークがつき、情報が更新されません。
例えば朝早い待ち合わせだから先に夜のうちにルームを作っておいて、家から出て駅についたら位置情報をオンにする。という使い方もできます。
ルームは有効期限が終わると自動的に消えます。従って、うっかり位置情報オフにし忘れたというときでも安心です。家に帰る時間までにはルームが終わるように最初に期限を決めればいいのです。
実際に使うとどうなるのか
実際に待ち合わせに使うとどうなるのか、やってみましょう。今回は東京の友人と、京都の僕とで、博多駅で待ち合わせをしてみました。
ルームにメンバーが入ると、地図上にアイコンが表示されます。面白いのは、移動速度からか、アイコンに何で移動しているのか表示されるところ。徒歩マーク、車マーク、電車マークなどがあります。
「あ、今移動しているな」とか「今駅から下りて歩いているな」とか、「まだ家の中でビクともしないから寝ているな」ということがわかります。
うまくいくと面白い使い方ができそうなのは、「場所を通知」機能です。あらかじめ設定しておいた地点にメンバーが到着すると通知がくるというもの。「どこそこまできたら連絡して。迎えにいくから」という連絡をしたことがある人も多いと思いますが、それを通知で解決してしまうのです。
うまくいくと、と書いたのは、回線の問題なのかはわかりませんが、通知が結構遅れてくることがあったからです。すぐ来る時もあれば、数時間後にいきなり通知がくることもあったので、結局アイコンを見てどこら辺まで到着しているか判断した方が早かったです。
Googleマップがベースになっているので、かなり地図を拡大して表示できます。例えば大きな駅で待ち合わせをした場合、駅の中で移動しているのがわかるぐらいに拡大できます。
ルームをつくり、メンバー間だけで共有するので、非常に柔軟な運用ができます。時間制限があるので、今まではこういったサービスに抵抗があった人も、使いやすいのではないでしょうか。必要なときに必要なだけ、という情報共有サービスの基本がしっかりできていると感じました。
欠点は、バッテリー消費です。GPSで常に位置情報を更新するので、バッテリーがみるみる減ります。モバイルバッテリーは必須かもしれません。
ここ一ヶ月は「友達を探す」などは使わず、LINE HEREだけを使っています。そして、以前よりも便利になりました。とりあえず何人かで待ち合わせをするときには、LINE HEREがあるとスムーズに合流できるでしょう。
（杉村 啓）
