任天堂はタコ派のはずなのに…イカ人間が活躍する「スプラトゥーン」

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というわけで、いよいよ発売されたWii U期待の新作「スプラトゥーン」。

水鉄砲みたいな「ブキ」でインクをドピューッドピューッと撃ち合うという、まあ要はFPS・TPS系ガンシューティングの一種なんだけど、そこはよい子の味方の任天堂。殺伐とした戦争ゲームではなく、発射したインクでフィールドを自分色に塗りつぶしていくという、ポップなゲームに作り上げている。

一応、オフラインの1人用モードも用意されているものの、やはり基本はオンライン上の誰かとチームを組んで、インクで塗りつぶした「ナワバリ」の面積を相手チームと競い合うという、4対4のオンライン対戦モード。

「こりゃー早くはじめた方が有利だな!」ということで発売日の朝っぱらから家電量販店に走って買ってきたんだけど、早速オンラインにつないでみると、いきなりランク(レベルみたいなもん)の高い人たちがいっぱい……なぜ!?

実は、発売前日の22時からダウンロード販売がはじまってたらしいんですな。えっ、ズルイ! まあ、それにしても22時から徹夜でガンガンやり込んでなきゃあり得ないようなランクの人たちばっかりでさぁ〜……。どんだけガチなんだ、キミたちは!

一方、ボクはというと、3Dのゲームをやってると、すぐにどっちを向いているのか分からなくなっちゃうし、3D酔いして気持ち悪くなっちゃうこともしばしば……というヌルゲーマー。いきなりオンライン上の誰かとチームを組まされるというのは少々プレッシャーなのだ(1人用モードはルールもシステムも別物なんで、オフラインじゃ練習もできない!)。

はじめたばっかりの頃は、高ランクの他プレイヤーたちに気後れして、「うわーっ、ランク1のヤツが我がチームに……」「足手まといだー」「クソかよ、ゴミかよ!」という罵声がボクの脳内にビュンビュン飛んできたし(そんな機能はありません)。

繰り返しプレイして、多少ランクが上がってきたところで、「うわーっ、ランクは高いのにヘタ過ぎない!?」「足手まとい」「クソかよ、ゴミかよ!」と、やっぱり脳内にメッセージが……。プレッシャーでお腹が痛くなっちゃうの。

コンピューターを仲間&相手にした1人用4対4のオフライン対戦モードさえ実装してくれれば、オフラインで練習してからオンラインに乗り出すことができるのに……任天堂さん、アップデートでの対応、お願いします!

さて、敵チームをブチ殺すのではなく、フィールドを塗りつぶしていくのがメインの目的という(まあブチ殺すけど)システムとともに特徴的なのが、インクをピュッピュッと発射できる「ヒト」とインクの海をスイスイ泳いでいける「イカ」とを切り替えていく操作性。

懐かしの名作ゲーム『テグザー』でロボット形態と飛行形態をヒョンヒョン切り替えて迷路をサクサクと進んでいくような気持ちよさがあって、フィールドを走って泳いで移動しているだけでも楽しい! ……しかし気になるのは「なんでイカなんだ?」ってこと。

ま、要はインクをドピュードピュー発射するというゲーム性を、スミをピューッと吹き出すイカになぞらえているんだろうけど、それだったら別にタコでもアリでしょ?(1人用モードではタコと戦うストーリーもあるんだけど、あくまで敵キャラ)

プレイヤーキャラとして、イカ人間の男・女を選べるんだったら、「ついでにタコ人間を選択できてもいいじゃない!」……と、(食い物では)イカよりもタコ派のボクは思うのだ。

任天堂の本社がある京都(関西)といえば、イカよりタコ食文化のハズ。それに、任天堂にはゲーム&ウォッチ時代にヒットした『オクトパス』という名作だってあるじゃないの。リメンバー・タコ!

他のゲームに目を向けてみても、MSXゲーム『パロディウス〜タコは地球を救う〜』の主人公機「タコ」や、ファミコン版『ドラえもん』海底編の巨大キャラ「大ダコ」(コレなんか、原作の『のび太の海底鬼岩城』ではダイオウイカだったのに、ゲーム化に当たってなぜかタコに変更されているというタコ優遇っぷり)。任天堂だって『MOTHER2』で「マル・デ・タコ」「ミタ・メ・タコ」「カナ・リ・タコ」「タコ・ソ・ノモノ」……と、タコを激推ししていたのだ。

やっぱり、ゲーム業界ではイカよりタコの方が印象的なキャラが多いような気がする。

ま、しかし、任天堂の代表選手『スーパーマリオ』の海ステージでは、タコなんて見る影もなく、イカ(ゲッソー)が大活躍してるからなぁ……。もう、任天堂ったらイカとタコ、どっちが本命なのよ!

まあ、そんな感じでタコ派としては少々モヤモヤしなくもないのだが、ゲーム自体はメチャクチャ中毒性高し。

細かいところまで作り込まれたフィールドに、ドピューッドピューッとインクを発射して、グッチャグチャのドロッドロに汚していくのは、気持ちE! さらに、相手チームがキレイに塗りつぶしたエリアにピュッピュッと自分色のインクをまき散らして台無しにしちゃうのもカ・イ・カ・ン! ヘタはヘタなりに、フィールドの隅っこをシコシコ塗りつぶしているだけでも楽しいし……。

若干の難点をあげるならば、傾きセンサーでインクの発射方向を決めるのはいいけど、あのバカデカいWii U Game Padをブンブン振り回していると腕がメチャクチャ疲れるということ。「ゲームは1日1時間! ちょいちょい休憩しようね」という任天堂からのメッセージが隠されているのかもしれないが……。腕、鍛えよう。

(北村ヂン)