再選なるか(写真右がブラッター会長・FIFAのHPより)

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 国際サッカー連盟(FIFA)の不正疑惑が喧しい。

 金満体質が露呈したFIFAの行く末とともに焦点となっているのが、ジョセフ・ゼップ・ブラッター会長(79)の去就だ。欧米メディアから「悪の権化」のように報じられる同氏だが、その実像は意外と知られていない。

「世界ガーターベルト友の会」に所属していた

 FIFAのホームページや、英紙デーリーメール、米ニューズウイークなど複数のメディアによれば、ブラッター氏はマッターホルンに近いスイスの都市、フィスプで化学工場で働く父親のもとに生まれた。

 ローザンヌ大学卒業後の経歴は多彩だ。

「色々な職を渡り歩いた苦労人です。20代なかばの頃は、歌や司会で結婚式を盛り上げる『ウエディングシンガー』をやっていたこともある。スポーツ記者やアイスホッケー連盟の事務総長などを経験し、FIFAの事務局に入る直前には時計メーカーのディレクター職に就いていた」(メディア関係者)

 ちなみに、「世界ガーターベルト友の会」なる団体に属していたこともある。

 女性が履くパンティーストッキングの普及を阻止するための団体で、後に「女子サッカー選手は、もっとぴっちりしたパンツをはいたらどうだろう」とセクハラまがいの問題発言をした際には、この経歴に注目が集まった。

 英紙の報道によれば、3度の離婚歴があり、「5月28日に開幕したFIFAの総会には28歳年下の人妻の彼女も連れて現れた」(同)とも。

 なかなか好色な人物でもあるようだ。

「FIFAでのキャリアをスタートさせたのは1975年。アディダス社のホルスト・ダスラー氏と、FIFAに君臨したブラジル人のジョアン・アベランジェ前会長を後ろ盾として出世街道をひた走った」(スポーツ紙サッカー担当記者)

 英語、ドイツ語など6か国語を操る語学力を生かし、「アベランジェ政権」の番頭として君臨し、サッカーが盛んな欧州、南米以外にも影響力を強めて、FIFAを世界最大のスポーツ団体へと押し上げた。

「ただ、急速な商業化は、元アルゼンチン代表FWのディエゴ・マラドーナ氏ら選手OBからの反発も食らった。サッカー利権を独占してきたUEFAを中心とする欧州勢は、ブラッター氏の登場で権益が縮小してしまったことをずっと不満に思ってきた。欧米の司法当局が仕掛けた今回の一斉捜査にもそうした『反ブラッター』勢の影がちらついている」(同前)

 FIFAの闇は相当に根深い。

(取材・文/浅間三蔵)