彼の名は「おしり前マン」。おしりが前にある。安心してください。履いてますよ。

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「O・S・H・I・R・I おしり」
「あぁ、あったかい。おしりも喜んでる」
「全裸になってもいいですか、スプリーング!」

「おしり前マン」が世田谷区の平和を守るシューティングゲーム、『おしり前マン〜OSIRIUS〜』(iOSAndroid、無料)のBGMである。

いったい「おしり前マン」とは……という問いに対する答えは一目瞭然。おしりが前についているマンなのである。頭がアンパンだからアンパンマン。おしりが前にあるからおしり前マンだ。
ちなみに公式サイトには「おしりが前にある史上、最高のシューティング!」と書いてある。
そんな歴史は初耳である。

ゲームは横スクロールのシューティング。
おしり前マンを操作し、自動でおしりから放たれるショットで敵を攻撃する。
おしり前マンがおっさんなら、敵もおっさんばかり。服にはわかりやすく「悪」と書いてある。
敵を倒しながら一定距離進むとボス戦になり、ボスを倒せばステージクリア。
敵弾を受けるとピンクのライフゲージが減り、ゼロになるとゲームオーバーだ。

絵柄の世界観だけでもう十分おかしな感じだけど、BGMもハチャメチャ。
冒頭に書いたフレーズの他にも「さわやかなおしり」「しり…灼熱だぜ!」などを織り込んだ”おしりソング”が流れ続ける。
しかも、おしり前マンのビジュアルからは遠くかけ離れた、やわらかなイケメンボイス。
ビジュアルからはハードに、耳からはソフトにおしりが入ってくる。
あったかぁ〜い おしり。

このゲーム、敵弾が避けられないことが頻繁にある。
理由は「おしり前マンが立った状態で戦っている」から。
一般的な横シューティングなら、自機は横向きの流線型になっている。
おしり前マンは直立不動なので、敵弾の狭いすき間をくぐり抜けられない。
それでもおしりを前に出すためには寝るわけにいかないのだ。
寝たら「おしり下マン」になっちゃうから。

弁慶のような直立のおしり前マン。ただダメージを受けるばかりではない。
弾が当たれば当たるほど黄色い「マゾゲージ」が溜まり、一定量になるとボムを発動することができるのだ。
ライフゲージは放っておくとジワリと回復する。
適度に敵弾に当たりつつ、ボムと回復を繰り返すのがプレイのカギ。
おしり前マン、叩かれて伸びるタイプ。ドMなのである。

ゲームオーバーになると、おしり前マンにお給料が振り込まれる。
屋台でやきとりを肴に一杯やるおしり前マン。涼しげな目元に哀愁が漂う。
ちなみに通貨単位は「デン」。臀部のデン。

溜まったお金で「おしりクラブ」に飲みに行くおしり前マン。
おしりクラブでは「カードおしりダス」を買うことで、ゲームに登場するキャラを集めたり、パワーアップをすることが可能。
シューティングでお金を貯める → コレクションでパワーアップ → またシューティングへ……というサイクルで、プレイヤーをめくるめくおしりの世界へ誘い込む。

それにしてもこのお店のBGM「♪おしりが〜前にある〜 おしりが〜前にある〜」が頭から離れない。
うちの子どもたちに聞かせたら一日中歌っていそうなので、うっかり聞かせられない。

こんなにナンセンスな世界なのに、気づくとおしりが前にあることを受け入れている『おしり前マン〜OSIRIUS〜』(iOSAndroid)。
おしりソングだけも聞いて悶絶してほしい。

(井上マサキ)