話題のゲーム「Splatoon」は買いなのか。Splatoon完成披露試射会で確かめてみた
今までもイベント会場でその場にいる人達と体験する機会はあったのですが、家でWiiUを使ってインターネットに接続し、他のプレイヤーと遊んでみることができるのは今回が初めてです。メーカー側には負荷テストにもなりますし、ユーザー側も製品とほぼ同じ環境で試せるのでいいこと尽くしですね。これからこういう機会がどんどん増えてほしいです。
Splatoonとは
このゲームはいわゆる三人称視点のシューティングゲーム、TPSです。他のゲームと違うのは大きく分けて２点。各キャラクターはヒトとイカの姿を切り替えながら戦うということと、相手を倒したり相手の陣地を占領するのではなくていかにインクで多くの地面を塗りつぶすことができたかで勝利が決まるという点です。
プレイヤー達はブキにインクを使います。相手にインクを一定量当てると倒せますが、地面や建造物を塗ることもできます。多くのエリアを塗りつぶした側が勝ちになるのです。このため、敵を撃つことが苦手な人でも地面を塗ることを中心に動くことで、チームに貢献することができます。
ブキもさまざまで、銃タイプのものはインクを遠くまで飛ばすことができるし、ローラータイプのものでは一気に広範囲を塗ることができますが当然遠距離からの攻撃には弱くなります。
自分のチームが塗ったエリアは、イカの姿になってインクの海に潜り自由に泳ぎ回ることができます。このとき、同時に素早くインクを補充することもできるため、なわばりを増やしつつインクが尽きそうになったらイカになって素早く補充。これが基本的な動きになります。なお、ダメージを食らったときも自チームのインクに潜ることで回復できます。
かなわなさそうな相手だったらイカになって逃げるのも手です。ただし、イカで潜んでいるところを相手に塗られてしまうとダメージを受けるので注意しましょう。
そうして4vs4で戦い、一定時間を経た後により多くのエリアを塗っていたチームが勝ちとなります。
体験版のブキは4種類
ゲームはWiiUゲームパッドで操作を行います。左スティックで移動し、ゲームパッドを動かして視点を変えるジャイロ操作に対応しています。ただ、ゲームパッドは若干重いので、持ったまま向きを変えつつ敵を狙うのは非常に難しく、またブレやすいので、苦手な人はブキを選ぶ画面での「カメラオプション」でオフにするといいでしょう。その場合、右スティックで視点変更を行うことができます。
ゲームパッド画面には常にマップと現在の塗り状況が表示されています。なので、ここが誰も塗っていないところだとか、ここを今敵が塗りつつこちらに接近しているから応援に行こうとか、戦況を把握することができます。
選べるブキは4つ。わかばシューター、スプラシューター、スプラローラー、スプラチャージャーでした。サブウエポンはそれぞれのブキについて固定されています。
わかばシューターは射程が短いマシンガンタイプ。結構な勢いでインクを飛ばすので、塗り速度も速いです。特筆すべきはたくさん塗ってゲージが溜まったときにできるスペシャルウエポンがバリアなことでしょうか。一定時間無敵になれるので、猛威を振るっていたローラーを相手にするときにもかなりいいです。その名の通り、初心者向けのブキといえます。
スプラシューターはわかばシューターよりも射程が長いマシンガンタイプ。射程をいかして敵を倒すも良し、塗りまくっても良しのブキと感じました。ローラーを相手にしたときは、相手の方を向きながら後退しつつ撃つことで結構倒せました。なんとなくですが、スプラシューターvsローラーという構図が多かったように思います。
スプラローラーは広範囲を一気に塗れるローラータイプ。攻撃力も高く、相手をローラーで巻き込めば一気に倒せます。なわばりを広げるゲームにおいて塗る能力が高いのは有利なためか人気も高く、気がつけばローラー4人vsローラー3人のようなことも頻繁に発生していました。ちなみに相手と自分が互いにローラーで正面衝突すると、相打ちで両方倒れます。
スプラチャージャーはチャージ（溜めて）撃つ遠距離タイプ。溜めると射程はかなり長く、また遠くの方まで一直線に塗ることができます。他のシューティングゲームのように、高いところから敵を狙撃するというのもやってみたんですが、敵を倒しても得点にはほとんどならず、塗った方が強いゲームなので一カ所にとどまる作戦はそれほど有効ではありませんでした。
このうち、猛威を振るったのはスプラローラーでした。あまり敵を撃つのが得意じゃない人が使ってもポイントを得やすいのですが、うまい人が使うともっと強いという印象です。戦況を把握して塗られていないところをどんどん塗ることで前線を押し上げ、相手のエリアを切り取っていきます。
チームはランダムでマッチングされるのですが、ゲームに慣れている人は阿吽の呼吸でスプラシューターとスプラローラーのコンビを組んで攻めていっていました。ローラーで塗るのをシューターで援護です。これが実に強い。このコンビがきちんと機能していたときには、ほとんど負けませんでした。
というわけで、初心者のうちはまずはわかばシューターでゲームの感覚をつかみ（バリアもありますので）、そのあとにスプラローラーで塗る方面か、スプラシューターで撃ち合いもできる方面へと進んでいくのがいいと思います。スプラチャージャーでスナイパーやりたい人も、まずゲームのスピードや展開に慣れてからの方がいいでしょう。
FPSやTPSが苦手な人でも「買い」！
遊んでみると単に相手との撃ち合いをするのではなく、いかにエリアを塗っていくかの勝負になるので、FPS慣れをしていなくてもとっつきやすいです。相手を撃つのが下手でも味方陣営の塗り漏らしを塗ったりすることでチームに貢献できるのはいいですね。
ゲーム全体のテンポも申し分なく、2時間分を遊んだのですがそれぞれあっという間に時間が経ってしまいました。FPSやTPSが苦手な人でも楽しめる工夫がたくさん入っていますので、「買い」といえるでしょう。本格的にFPSをやりこんでいる人でもかなり楽しいと思います。
ただちょっと操作が忙しいと思ったのは、テレビ画面にマップが出ず、手元のゲームパッドで確認をしなければならないので、頻繁にそれぞれを見なければならない点でしょうか。簡易的なマップが画面に出ているともうちょっと遊びやすかったかもしれません。
FPSにつきもののボイスチャットがなかったのはちょっと残念ですが、あればあったで敷居が高くなるので、それはそれでいいのかもしれません。製品版ではフレンド同士の連合軍で戦うモードもあるとのことなので、そのときにはあった方がうれしいところです。Skypeとかを代用するのかもですが。
また、マニュアルを読む限りローカル対戦だとテレビ画面とゲームパッドでの1対1までしか対応していないのも少し残念なところです。大画面テレビが普及していますし、画面四分割等でみんなで対戦や協力プレイができたらかなり楽しいと思うのですが、難しいのでしょうか。
今回は4つのブキしかありませんでしたが、製品版はブキの他にギア（アタマ、フク、クツの3種類）もあり、移動速度を上げたりインクの回復が早くなったりと、カスタマイズ要素もしっかりあるようです。また、オフラインモードやamiiboに対応しているなど、一人で遊べる要素も多くやりこみがいがありそうです。
完全にこの完成披露試射会で、早く本格的に遊びたい状態になってしまいました。DL版では事前ダウンロードに対応していますので、購入しておけば5月28日の発売日（他のゲームの例と同じだと、日付が変わる2時間前ぐらいから？）からすぐに遊ぶことができます。見かけたら、お手柔らかにお願いします。
（杉村 啓）
Splatoon（Amazon）
