文さんクイズとは何だったのか「まれ」24話
第4週「さよなら桜もち」は、朝ドラ「まれ」(NHK月〜土 朝8時〜)の最初のピークだった気がします。
それだけ「文さんクイズ」のアイデアは強烈でした。
津村家と哲也夫婦が、文(田中裕子)についてどれだけ知っているかクイズ形式で勝負した結果、
元治(田中泯)が、
「こんだけ 文の事をちゃ
知っとる者や集まって
他人やら家族やらちゅて
関係あるんかいえ。
俺ちの事を
こんだけ思うてくれる者らち
俺は 他人やとは とても思われん。」
と言うように、血がつながっている、つながっていないに関係なく、みんながひとつになっていく様子を、クイズ大会によって見せることで、説明的になることが回避されました。
毎回出てくる名言にも感心しますが、やはり注目すべきは、篠崎絵里子(崎、大じゃなくて立のほう)の脚本が、画に物語らせるのりしろを残しているところです。
演出は、1〜3週は、チーフディレクターの渡辺一貴(「ちゅらさん」「龍馬伝」「平清盛」など)、4週は一木正恵(「ゲゲゲの女房」「八重の桜」「胡桃の部屋」など)が担当しています。
哲也は東京でもう一度がんばってみると去って行き、希たちは再び、桶作家に戻ります。
文との別れ際、哲也の眼鏡が襟ぐりにへんなふうに引っかかっているのも、感情表現の不器用さの現れのようにも見えました。
相当意地っ張りな文も
「血のつながりっちゃあさましいもんで
何やあっても 息子は かわいい。
ほやけど あんたらちも まんで かわいい。」
と希たちが戻ってきたことの喜びを言葉にします。
徹もようやく、自分の仕事場について希に明かしたようで、そのシーンは直接描かず、あとで希の
「お客さんのために
規則の抜け道を探すのが
本当の仕事やって
市役所のトイレの神様に
教えてもろてん。」
という台詞でわからせます。
京極ミズハ(内田慈)も同じく照れ屋で、おそらく紺谷博之(板尾創路)も厳しいだけのひとではなさそう。
京極の歌(内田慈の歌声かわいい!)みたいに希のまわりでは「奇跡が起りはじめてる♪」のでしょうか。目下、全編の6分の1くらい過ぎたわけですが、まだまだ先は長い。
ところで、哲也の妻しおり(中村優子)が、クイズの問題をだすとき、「〜〜ですが、〜〜とはなんでしょう?」というフライングを誘導する引っかけテクニックを使っていて、「まれ」の話の流れが、まるでひょいひょいおせんべをひっくり返して焼くように翻っていくところは、このフライング誘導テクに似ています。
(木俣冬)
タイトルバックに驚いた。NHK朝ドラ「まれ」1話をレビュー
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祭りん時の女の言葉をちゃ鵜呑みにしたら駄目やわ「まれ」13話
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貧しいならではのお菓子作りを決意。名言炸裂「まれ」15話
いきなり見込みがあるかどうか聞いてくるようなやつには見込みなんかない「まれ」16話
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「聖者の行進」とは何の暗示か「まれ」18話
なあんもせんかったら怒られもせんけど仕事も覚えんわいや 「まれ」19話
大泉洋、門脇麦、田中泯、板尾創路…俳優たちの名言合戦「まれ」20話
やっぱり本当の家族が強いのか「まれ」21話
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それだけ「文さんクイズ」のアイデアは強烈でした。
津村家と哲也夫婦が、文(田中裕子)についてどれだけ知っているかクイズ形式で勝負した結果、
元治(田中泯)が、
「こんだけ 文の事をちゃ
知っとる者や集まって
他人やら家族やらちゅて
関係あるんかいえ。
俺ちの事を
こんだけ思うてくれる者らち
俺は 他人やとは とても思われん。」
と言うように、血がつながっている、つながっていないに関係なく、みんながひとつになっていく様子を、クイズ大会によって見せることで、説明的になることが回避されました。
毎回出てくる名言にも感心しますが、やはり注目すべきは、篠崎絵里子(崎、大じゃなくて立のほう)の脚本が、画に物語らせるのりしろを残しているところです。
演出は、1〜3週は、チーフディレクターの渡辺一貴(「ちゅらさん」「龍馬伝」「平清盛」など)、4週は一木正恵(「ゲゲゲの女房」「八重の桜」「胡桃の部屋」など)が担当しています。
文との別れ際、哲也の眼鏡が襟ぐりにへんなふうに引っかかっているのも、感情表現の不器用さの現れのようにも見えました。
相当意地っ張りな文も
「血のつながりっちゃあさましいもんで
何やあっても 息子は かわいい。
ほやけど あんたらちも まんで かわいい。」
と希たちが戻ってきたことの喜びを言葉にします。
徹もようやく、自分の仕事場について希に明かしたようで、そのシーンは直接描かず、あとで希の
「お客さんのために
規則の抜け道を探すのが
本当の仕事やって
市役所のトイレの神様に
教えてもろてん。」
という台詞でわからせます。
京極ミズハ(内田慈)も同じく照れ屋で、おそらく紺谷博之(板尾創路)も厳しいだけのひとではなさそう。
京極の歌(内田慈の歌声かわいい!)みたいに希のまわりでは「奇跡が起りはじめてる♪」のでしょうか。目下、全編の6分の1くらい過ぎたわけですが、まだまだ先は長い。
ところで、哲也の妻しおり(中村優子)が、クイズの問題をだすとき、「〜〜ですが、〜〜とはなんでしょう?」というフライングを誘導する引っかけテクニックを使っていて、「まれ」の話の流れが、まるでひょいひょいおせんべをひっくり返して焼くように翻っていくところは、このフライング誘導テクに似ています。
(木俣冬)
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