6日、新木場駅前で排ガス規制条例のパンフレットを配布する都環境局の大橋久夫局長(左)。(撮影:吉川忠行)

写真拡大

東京都は6日、江東区の新木場駅周辺など都内2カ所で「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に違反するディーゼル貨物車などの取り締まりとPR活動を行った。

 ディーゼル車の取り締まりに関する条例は「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(環境確保条例)を、都が2000年12月に制定したのを皮切りに、01年7月に埼玉県、02年3月に千葉県、同年9月に神奈川県と首都圏各県が続いて制定した。条例制定後の03年10月1日から、ディーゼル車の走行規制と取り締まりが開始された。

 都がディーゼル車の取り締まりを行う理由として、自動車から排出される粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)などの汚染物質により、首都圏の大気汚染が深刻な状況にあることが挙げられる。特にPMはガンや呼吸器系疾患など、人体への有害性が強く懸念されているほか、都の研究では花粉症への影響が確認されているという。また、自動車の排ガスに含まれるPMの大半と、NOxの約7割はディーゼル車から排出されているとしている。

 6日は、1都3県4市が一斉取り締まりなどを行う10月の統一行動日。都の職員は新木場駅前で排ガス規制のパンフレット1000部を朝の通勤・通学客に手渡し、ディーゼル車の走行規制への取り組みに理解を求めた。また、同駅周辺の路上と江戸川区の葛西トラックターミナルの2カ所で、貨物車などの取り締まりを実施した。

 都の担当者は、新木場駅をPR活動をする場に選んだ理由として、駅周辺に物流系の会社が多いことを挙げ、「従来行ってきた都から会社の経営者への依頼だけではなく、依頼先の会社に勤めるすべての人たちに取り組みを知ってもらいたい」と、PR活動への思いを語った。

 この日の取り締まりでは、都内2カ所で計343台(うち都内の車両が202台、都外が141台)を調査した。このうち、違反車両は2台で、内訳は都内と都外の車両が1台づつだった。都では06年4月から行われる2段階目の粒子状物質排出基準値への規制強化へ向け、今後もPR活動を通じて企業などへ条例への理解を求めていきたいとしている。【了】

■関連記事
続・排ガス規制逃れは許さない(6/29)
排ガス規制逃れは許さない(6/9)

■関連リンク
ディーゼル車規制総合情報(東京都)
ディーゼル車規制検索システム(東京都)