コツコツ艦船をつくって、コツコツ戦わせてコツコツ育てる、コツコツゲーが今人気急上昇中。『艦隊これくしょん -艦これ-』は、ほとんどお金をかけず遊べるソーシャルゲーム。運営が「運営鎮守府」、プレイヤーが「提督」というこだわりもまた、よし。

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ソーシャルゲームの『艦隊これくしょん -艦これ-』が面白いんです。
ぶっちゃけ、斬新ではないです。
でも楽しい。評判もいい。かわいい。
これ、原点に帰ったゲームとして、よくできてるんです。
 
1・そもそもガチャがない
ガチャガチャがありません。
たいていのソシャゲは、レアカードひくためにお金がかかったのですが、それがない。
逆に言えば、お金で解決できません。自力でなんとかするしかない。
 
艦隊は、時間と任務によって増える「燃料」「弾薬」「鋼材」「ボーキサイト」と、任務で手に入る「開発資材」で作ります。
分単位で増えるため、普通に遊ぶ分には、仕事中にでもほっとけばがんがん増えます。

これを使って、自分の好きな艦船を作るのですが、ここがちょっとミソ。
秘書艦とよばれる表示されているキャラ、資材のバランス、司令部レベル(自分自身のトータルレベル)によってできるものが変わります。うまくやれば、そこそこ欲しいものを狙えます。
コツコツと人力で、試行錯誤しながら、建造する。
最初はテキトーでもいいです。意外なものできたりしますから。
なんかちょっと懐かしいのよ、この手探り感覚。ファミコン時代を思い出します。
 
お金を注ぎ込んでも、買えるのは資材と短縮アイテムだけ。
欲しい艦隊を揃えるには自力プレイしか無い。ゲームの「当たり前」に戻りました。
 
2・育成ゲームの基本に立ち返る
一見ものっすごく複雑です。一見。漢字多いんだもん。
やれ大口径主砲だ、魚雷だ、対空機銃だ、駆逐艦だ、水上機母艦だ。ネタを知らないと超混乱します。
しかし、プレイし始めると、めちゃくちゃシンプルな育てゲーなのがわかります。
 
たとえば、重巡洋艦の那智ちゃん(かわいい)が気に入ったとしましょう。
彼女を最大6人の艦隊を組んで、戦闘に出して経験値を積んでいきます。
と書いた時点で「RPGやシミュレーションっぽい」と思った人は正解。
戦闘経験値で育つ、シミュレーションなんです。「普通じゃん」と言われたらその通り。

現在ソーシャルゲームの多くは、カードにカードを投入することで成長するのが主流。
一応使わなくなった艦船を投入することでほんのちょっと強化できますが、余ってきたら程度。基本的にRPGやシミュレーションゲームと同じように自力でレベル上げするしかありません。
とにかく戦う。それでレベルを上げる。
 
戦う時に必ず、燃料と弾薬が必要になります。
あわせて、那智ちゃん(かわいい)は装備が色々できるので、水上偵察機や連装砲でコーディネートしましょう。

艦船を作る時に使う「燃料」「弾薬」は共有です。
新しい艦船の建造、装備の開発、実際の出撃、壊れた艦船の修復。
全部燃料など4つの資材のみで行います。だからこそすごいシンプルだし、運用の仕方を考えないといけません。

ひたすら出撃して育てまくり修理しまくりプレイもあり。
新しい艦船作成や開発に精を出すのもあり。
プレイスタイルは自由です。
これって、育成ゲームの基本中の基本。自分で楽しさを探せる「場」ができています。

見えている絵は今のブラウザゲームにしては、そんな派手ではないです。むしろ地味。3Dでもないしアニメーションすごくするわけでもない。
キャラ絵と、限られたセリフ(声つき)と、自分の選択。それらが脳内補完させる刺激にあふれているので、少ない情報から面白さを見つけられる仕組みになってます。
このあたり、ソシャゲの「短い時間で魅力を感じる」ノウハウが駆使されています。

3・恐怖の轟沈
このゲーム、敵に倒された時轟沈します。
つまり消滅します。
容赦無い! 一応打開策も用意されていますが、轟沈するときはあっさり轟沈します。戻りません。
そのため、無策に突っ込めない。きちんと対策を練らないと、艦船そのものを失うはめになります。

このバランスまあよく計算されています。シビアです。
かつて『ウィザードリィ』で、あっさりロストしてしまった経験のある人には、悪夢再来という感じ。
手塩をかけて育てていくと、かわいらしい絵柄の艦船に愛着がわいてくるのは当然のこと。
この子が失われたら……!すごい緊張感です。
だからこそ面白い。

対人戦では絶対轟沈しないので、そこでレベルをコツコツあげ、じっくり最大限の装備をさせて、実戦投入。
可愛い子に旅をさせるリスキーさが、ワクワクさせてくれます。
 
4・史実に忠実
出てくる艦船は、長門、陸奥、日向、赤城、綾波、扶桑、摩耶など、実際のもの。
この元ネタの詰め込みっぷりが、まあこっているのなんの。作ってる人ホント好きなんだな!
実戦のミッションが数多く用意されているのですが、これが史実どおりのこだわりっぷり。

また、このゲームめちゃくちゃしゃべるんですが、そのセリフがかなり史実ネタが多く、これまたニヤリ。
弱いよ!っていう艦船でも、史実のように改装されるので、必ずしもゴミにならない。
ネタに詳しい方がやったらあっちでもこっちでもニヤニヤできると思います。
ぶっちゃけその史実性は育成ゲーム本体と関係ないので、知らなくてもいいんです。でもついつい、プレイしながら調べたくなります。
そして、史実を知るとさらにキャラが愛しくなるというね……擬人化好きにはたまらない。

5・敵は人間(艦娘)ではない
戦う相手は謎の物体です。
対人戦は、演習。これは轟沈しません。練習ですから。
命がけで戦う相手は人間ではない。『ストライクウィッチーズ』をご存知の方なら、ネウロイに近いと思えばわかりやすいかと。
あくまでも人間同士の戦争ではない。この線引があるので、安心して遊べるのは重要なポイントです。
 
次に来るソシャゲはこれ!艦隊これくしょん -艦これ-が面白いと話題に - NAVER まとめ
話題沸騰!とはいえないけど、口コミで広がりはじめています。
よっぽどのことがない限り、課金をしないで遊べます。本当にこれ経営できるのかな?と思うくらい。
一応、修理ドッグの増設などがあると便利。でもそれを買ったとしても大した額じゃない。
今後、レース性のでてくるイベントが開催されたり、トレードが行われるようになるとバランスががらっと変わるかもしれません。なので今一概に「これは最高」とはいえません。
ただ、現時点で「長く遊べそう」「お金払って遊びたいくらい面白い」と感じさせるものになっているくらい、しっかり作りこまれているのは評価したいところ。
ソーシャルゲームにしては、ムリに毎日遊ばなくてもいい、というのは大きいかもしれません。

ソーシャルなのは対人演習くらいなので、そんなにソーシャルではないです。
一人遊びゲームとしてよくできているよね、というのが現時点での本音。
今後「友軍艦隊」などが実装されるそうなので、期待したいところです。
個人的に、吹雪をはじめとしたセーラー服駆逐艦チームがかわいくてもうね……ペロペロだね。

あ、ブラウザゲームなのでiPhoneではできません。ご注意を。

(たまごまご)

(注・記事アップ後、人気すぎて新規登録が一時的に停止中です。すぐに再開するよう調整中とのこと。どれだけ大人気なんだ・・・)