試合 :国際親善試合
開催日:2013年3月22日
結果 :日本代表勝利
スコア:「1−2」
得点者:岡崎慎司 ヘイパー ハーフナー・マイク


○ 日本代表選手評価(10点満点)

FW:前田遼一
MF:乾貴士 香川真司 岡崎慎司
MF:遠藤保仁 長谷部誠
DF:酒井高徳 伊野波雅彦 吉田麻也 内田篤人
GK:川島永嗣

FW:ハーフナー・マイク
MF:香川真司 中村憲剛 乾貴士
MF:遠藤保仁 長谷部誠
DF:酒井高徳 伊野波雅彦 吉田麻也 駒野友一
GK:川島永嗣

FW:ハーフナー・マイク
MF:香川真司 中村憲剛 大津祐樹
MF:遠藤保仁 長谷部誠
DF:駒野友一 栗原勇蔵 吉田麻也 酒井宏樹
GK:川島永嗣


長谷部誠:7点

この試合の前半の3ライン的な「4−4−2」。それから、中盤の4枚がダイヤモンド型ではなくフラットなザックの「3−4−3」。つまり、トップ下がいない形、という事ですが、その時には、長谷部がドリブルなどでトップ下の位置まで上がった時にチャンスになる事が多く、トップ下がいる、トップ下がいない、その違いがある時に、ザックが長谷部にどういう指示を与えてるのか、そもそも、何か指示を与えているのかどうか、そこが少し気になるところです。

長谷部のパフォーマンスとしては、この試合では一番良かった選手ではないかと思っていて、前後半を通じて攻守によく効いていました。なぜヴォルフスブルクでボランチとして出場した時に、この試合のような、日本代表でのような、攻守に効果的な高いパフォーマンスが出せないのだろう、というのは、理由がハッキリしている岡崎とは違って長谷部の場合は謎で、チームにおける立場の違い、それぐらいしか理由としては見当たらず、本人も分からないのかな、という感じですね。


遠藤保仁:5点

前半の3ライン的な「4−4−2」の時には大丈夫でしたが、やはり、「4−2−1−3」の形になると、特に同時に左サイドが香川という事になると、どうしてもそこに守備の弱さが生じてしまいますよね。この試合でも、酒井高徳が負傷したので、交代が酒井高徳から酒井宏樹、という事にはなりましたが、本当ならばザックは遠藤に代えて細貝を入れようとしていて、それはおそらく、遠藤を休ませよう、という事だけではなく、やはりそこに守備の弱さを感じているからだと思う訳です。

攻撃面では、遠藤が存在している事によって、ビルドアップの安定感と質は上がりますし、縦パスというスイッチにも質が生まれますし、長さのある展開力にも質が生まれてくる、というメリットが盛り沢山なのですが、個人的には、やはり守備面を考えると、本田、香川、遠藤、この3人が同時にピッチに立つというのは、かなりリスクが高いのかなと思いますね。また、どうしてもその3人を同時にピッチに立たせたいのであれば、1トップに本田、トップ下に香川、という「4−4−1−1」であるとか、他にもいくつか案はありますが、とにかく、そういう組み合わせや配置の工夫を、今後はする必要があるかなと思います。


酒井高徳:5点

シュツットガルトでは、ほぼ不動のスタメンを確保しているとは言っても、やはりまだ長友や内田と比べればプレー質は1つ落ちるので、今の段階ではこの試合程度のパフォーマンスでも及第点かなと思っています。但し、そうは言っても、いつまでもその差を埋めなければ日本代表でのスタメンは奪い取れませんし、また、2014年のW杯メンバーに残れるかどうかも微妙なところとなってしまいますから、もっともっと勢いを持って長友と内田の背中を追い掛けて欲しいですね。そして、駒野の後継者的な椅子もあるので、まずはそこを確保できるように頑張って欲しいと思います。


内田篤人:5点

最近のパフォーマンスの良さから、もっと高いパフォーマンスを期待していた人もいるかなと思いますが、日本代表とシャルケでは求められている役割が少し異なり、ファルファンとの連携が武器となっているシャルケではより少し攻撃的、左サイドに長友や高徳が起用される日本代表ではより少し守備的、という事なので、そこは考慮しておく必要があるかなと思います。また、ファルファンは得点も仕掛けもパス出しもできる選手ですが、岡崎はパス出しという部分では期待できない選手なので、そこにも違いがありますよね。

但し、それなら右サイドには清武が良いのか、という事については、確かに内田の攻撃力を活かす、という事だけを考えればそうかもしれませんが、しかし、岡崎を欠いてしまうと得点力が大きく下がってしまいますから、清武が岡崎と同じぐらいの得点力を発揮するか、もしくは、岡崎以外に得点力の高い選手が出てくるか、そういう事が無い限りは、岡崎を外すというのはナンセンスなのかなと思います。やはりサッカーは得点を取り合うスポーツなので、得点を取れる選手を軽視するのはナンセンスだと思いますね。


吉田麻也:5点

ボランチ、中盤、そこが封じられてしまった時に、そういう場合にはCBの1枚がフリーになる、あえてCBの1枚がフリーにされる、という事が多いので、その時には吉田のフィード力が活かされてくると思うのですが、今のところは、その役割は今野の方が上、という感じでしょうか。しかし、吉田もフィードを得意としている選手ですし、また、吉田が今野ぐらいのフィード力を発揮してくれれば、そこを高さに懸念がある今野から栗原などに代えて、吉田と高さのあるCBコンビを組ませられると思いますから、そこを吉田には頑張って欲しいですよね。

もちろん、相手が地上戦メインの攻撃を仕掛けてくる場合には、地上戦には強い今野をCBで起用した方が良いとは思いますが、しかし、日本の恒常的な弱点である放り込み攻撃などに対応するためには、吉田と栗原、吉田と岩政、など、高さのある2人をCBにした方が良いと思いますし、更には、吉田は189センチという身長の割にはそこまで空中戦には強く無いので、どちらかと言えばリベロもしくはスイーパータイプの選手なので、そういう事もそうですね。


伊野波雅彦:4点
栗原勇蔵:5点

1対1での対人守備の弱さ、何度も書いていますが、そこが伊野波の最大の課題ですね。アンダー世代の日本代表の頃からそこはまだ変わっていません。もちろん、空中戦、という事まで含めてですね。そこが強くならないと、フル代表クラスの選手としては厳しいかなと思います。そして、栗原に関しては、ふくらはぎに違和感があった、という事だったので、どうなのかなと思っていたのですが、特に問題は無さそうでしたし、動きも軽快だったような気がします。特に問題が無ければヨルダン戦も吉田と栗原のCBでやって欲しいですね。


駒野友一:5点
川島永嗣:5点

駒野のパフォーマンスとしては、良くもなく悪くもなく、普通だったかなと思います。但し、一時期の攻撃での高いパフォーマンスが見られなかったのは、やはり少し残念な気がしました。守備力、という事に関しては、駒野もそれほど良い選手ではないので、高徳と比べて特に駒野の方が良かった、という事もありませんでしたが、しかし、イメージ的な安心感という部分では、やはり駒野の方が上なのかなと思います。そして、川島についても、いつも通りのパフォーマンス、という感じでした。


* 酒井宏樹については評価省略。