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先週木曜日の早朝、サンフランシスコでのWBC観戦から帰国しました。
侍ジャパンへの期待と挫折、ドミニカやプエルトリコの勝利への執念とサポーターの熱き想い、オランダの活き活きとしたプレーぶりなど、多くを見聞きし満足一杯の旅行でした。

しかし・・・・

これだけは述べておかねばなりません。
決勝ラウンドでのチケット価格の迷走です。
私が、3試合通しのチケットを購入したのは1月12日のこと。
Lower Boxという290ドルの席でした(チケットマスターの手数料等のチャージが掛かり、支払総額は322ドル)。
内訳は、準決勝2試合がそれぞれ85ドルで、決勝戦が120ドルです。
場所は、一塁側ブルペンの捕手の位置のあたりで、前から4列目。
なかなかの臨場感でした。
臨場感

ところが・・・
恐らく大量に売れ残ったせいだと思いますが、サンフランシスコに到着した17日に、WBCのHPではなんと199ドルでこの席は正式販売されているではありませんか!
その差、91ドル・・・
さらに、3試合セットではなく個別試合単位で購入すると、準決勝2試合目のオランダ対ドミニカ戦では、私のエリアの席は35ドル。決勝戦は70ドルです。

正直なところ、AT&Tパークで私の隣に座っているファンが私より1試合あたり50ドルも安く買っているかもしれないと考えると、心中おだやかならぬものがありました。

実は、私がWBCチケットに裏切られたのは今回が初めてではありません。
前回2009年のサンディエゴでの第2ラウンドでのこと。
私は、最も高い70数ドル(正確な金額は忘れました)の席を奮発し、ネット裏で観戦していました。
ところが、試合が中盤に差し掛かった頃、ペトコ・パークの職員が、2階席の観客を1階に下りてくるよう誘導を始めたのです。
理由は、テレビに映る1階席の空席を少しでも埋めようという配慮のようでした。
幸運を手にした2階席のファンは大喜びです。
しかし、私は「オイオイ!オレの払った金額はどうなんのよ!!」と大いに動揺したものです。

私事を述べると、私は06年の第1回WBCは、東京開催の全試合を(もちろんチケットを買って)観戦しました。
そして、第2回と今回は、日本での観戦数試合に加え、アメリカまで出かけました。
WBCに関しては、かなり忠誠度の高いファンだと思います。

そんな「既納客」が、2度までも裏切られたのです。
もちろん、法的には何の問題もないはず。チケット規約に価格は「subject to change」と記されていたのだと思います。
しかし、現実問題としては誰も「売れ行きによっては、価格が日々上下するかもしれない」と認識したうえで、購入していないと思います。

本来、消費財の価格は需要と供給の関係で決まるもの。
いっそのこと、次回は航空券やホテルではありませんが、「残席数により日々変わります」と、大きな字で告知し販売することを検討してほしいと思います。

そもそもの問題点は、まだWBCというブランドのバリューが確立されていないということでしょう。
侍ジャパンや中南米諸国のサポーターのように、自国チームの応援には高いチケット購入も辞さず、のファンは多いものの、「WBC」というだけで出場チームが未決の段階で購入に踏み切るファンは極めて限られるというのが、今回われわれが学んだ点です。
それこそ、次回は主催者が中心となって、チケットの再販ルートを確立することも視野に入れるべきかもしれません。