中国税関統計情報センター(CCS)によると、2012年の中国のレアアース(希土類)輸出総額が前年比66%減の9億600万ドル(約800億円)にとどまったことが分かった。中国新聞社が報じた。

 中国は12年、レアアースの輸出割当量を計3万996トンとしていたが、実際の輸出量は前年比3.5%減の1万6265トンにとどまり、3年連続で減少となるなど、レアアースの「脱中国」が鮮明となった形だ。

 中国政府がレアアース輸出を規制するなかで輸出量の小幅な減少は想定内だったが、価格の暴落はレアアース生産企業にとって深刻な問題だ。中国のレアアースの価格は11年のピーク時に比べて3〜4割ほどにまで下落しているからだ。

 中国税関統計情報センターの報告は、国際的にレアアースが供給過多となっている現状を示すものだ。10年に起きた中国漁船衝突事故で中国政府が事実上の対日レアアース輸出規制を行ったことで、11年には価格が高騰した。

 その結果、日本企業は技術革新を迫られ、中国産レアアースへの依存度を減少させた。さらに各国がレアアース採掘を始めたことで調達先が多様化し、中国は世界のレアアース供給の95%を担っているが、この5年以内に70%にまで減少すると見られている。(編集担当:及川源十郎)