中国メディア・新華網は17日、「中国と周辺諸国との『近いのに親しくない』状態をなぜ解決することができないのか」とする専門家の評論記事を掲載した。

 記事が紹介したのは、中国公共外交協会の宋栄華事務局長による評論。宋氏は、中国は陸上で14、海上で6つの国と隣りあい、そのうち多くの国にとって中国が最大の貿易パートナーであると紹介。

 そのうえで「建国以降善隣友好を旨とする対周辺国対策を続けてきたにもかかわらず、日本、ベトナム、フィリピン、モンゴル、ミャンマー、インドなど周辺国と『近いのに親しくない』状態が一向に解決できないのはなぜか」と問題提起した。

 疑問に対して宋氏はまず、歴史的な原因を挙げた。「歴史的な領土問題の解決は各国の利益の再配分につながるため、解決に向かう中で力比べや争いが自然と発生する」とし、時には「優位に立つために、各国は地域外の力を呼び寄せて中国と争おうとさえするのだ」と論じた。

 宋氏は次に、驚くべき急成長を遂げて世界や地域の経済的地位が高まった中国に対して、一部の「戦略家」が「果たして中国に世界を統治できるのか」という疑念を持っており、中国の力を分散させるために周辺国と摩擦を起こさせていると指摘した。

 宋氏はこのほか、中国の対周辺外交の柱が単一的であること、経済を重んじる一方で戦略や文化をおろそかにしてきたこと、マクロ的視点が欠けていることを主な原因に挙げた。(編集担当:柳川俊之)