江蘇省南京市の公立病院が拡張のために建設した新病棟が、「5つ星ホテル」と揶揄(される)ほど豪勢であることが話題となり、医療リソース不足が深刻化している中国国内では資源の「使い道」を誤っているとの議論が起こった。中国新聞網が7日伝えた。(イメージ写真:Photo by Thinkstock/Getty Images.)※写真の無断ダウンロードと転用を禁じます。

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 江蘇省南京市の公立病院が拡張のために建設した新病棟が、「5つ星ホテル」と揶揄(やゆ)されるほど豪勢であることが話題となり、医療リソース不足が深刻化している中国国内では資源の「使い道」を誤っているとの議論が起こった。中国新聞網が7日伝えた。

 新病棟ビルの営業を開始したのは同市中心部に位置する鼓楼病院。近年、1日あたりの診察数がのべ8000人を超え、旧病棟のキャパシティーでは到底追いつかなくなったために2004年に新病棟建設が決定したという。記事は、新病棟にヘリポートが設置されたほか、スターバックスが入居し、数千万円のピアノが配備されており、「5つ星病院」との異称がついたとした。

 市民から「これほど豪華な病院を建てる必要があるのか」との声が上がったことに対して、同病院の関係者は「国内の病院に欠けている、現代化や人間らしさを考慮した結果。まさかこれほど批判の声が出るとは思わなかった」とコメントした。

 記事は、南京医科大学の専門家が「ヘリポートは交通事情を考えれば必要。快適な環境を提供することは、患者にとって有益」と鼓楼病院の方針を弁護する一方、多くの業界関係者が「医療改革の軸は全国民への基本的医療サービス提供であり、公立病院が過度な豪華さを求めるべきではない。このような試みは民営や私立の病院に任せるべき」との見解を示したことを伝えた。(編集担当:柳川俊之)(イメージ写真:Photo by Thinkstock/Getty Images.)