【図表1】「JASDAQ信用残」の推移。買い残は2010年以降徐々に上昇。ライブスター証券「livestar QUICK情報」より

写真拡大

 日経平均株価は2010年以降、8000円台〜1万1000円台のレンジで上下動を繰り返してきた。現物株を買って保有しているだけでは、なかなか利益をあげることが難しい相場が続いている。

 そんな状況下で、買いだけでなく、売りでも利益が狙える信用取引を利用する個人投資家が増えていることを示すデータがある。

 長期的な「信用買い残」の状況を見ると、2007年以降のリーマンショックによる株価の急落により、信用買い残は大幅に減少した。だが、2009年以降は徐々に上昇に転じている。とくに個人投資家が多いJASDAQ市場では、2010年以降、株数ベース、金額ベースともに買い残が増加しており、信用取引の利用者が増加している様子がわかる【図表1】。

規制緩和で個人投資家に朗報!同じ資金で「回転売買」が可能に

 下落時にも利益が狙える信用取引へのニーズが高まるなか、個人投資家に朗報が届いた! 実は、信用取引の規制は近いうちに大きく緩和されようとしているのだ。なお信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があるが【図表2】、このどちらについても緩和される見通しだ。

 現在の信用取引制度では、1回の信用新規買い(建て玉)を返済(売り決済)してから「3営業日」は、保証金が拘束されて次の注文が出せない(売りの場合も同様)。それが新制度では、返済と同時(リアルタイム)に資金が解放されるようになるため、すぐに次の注文が出せる。つまり「回転売買」が可能になるのだ。

 これは、資金が限られている個人投資家にとってうれしい制度変更だ。資金が少なくても、短期売買で1日に何度もチャンスを狙うことができるようになる。

 では、規制緩和はいつから実施されるのか?

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)