アマチュアボクシング女子でロンドン五輪出場を目指すも、その夢は叶わなかった、お笑いコンビ・南海キャンディーズの“しずちゃん”こと山崎静代。2008年よりボクシングをはじめ、五輪を目指すアスリートとしては、異例ともいえる短い競技経験ながら、重量級選手が極めて少ない現状もあり、五輪出場挑戦は大きく前進していた。

だが、競技人口や背景はどうあれ、しずちゃんの努力は紛れもなく本物だ。過度なプレッシャーや、中には卑劣な取材行為もあったという、その過程について、27日放送、TBS「さんまのスーパーからくりTV」で相方・山里亮太が語った。

「(周囲から)“少ないからチャンピオンになったんだろ”、“試合しないで優勝してるんだろ”って(言われ)。だからそのプレッシャーから逃げるために、あの子はどんな空き時間でも練習してないと、そのプレッシャーに押し潰されちゃうんですって。だから舞台と舞台の間がたった30分しかなくても、15分間走りに行っちゃったり」と、重圧と戦うしずちゃんの様子を話した山里。

4月には、週刊誌上で「MRI検査で脳に『影』」と報じられるなど、一部ではバッシングに近い報道も増えるようになったが、この時を振り返った山里は、「はじめてなんですけど、あの時期にあの子から“ちょっと話があるんだけど”って言われて、“ちょっと今記事で色んなことを書かれて辛い状況にある”と」と切り出した。

「例えば、家をロードワークで出ようと思ったら、バッって急に人が寄ってきて、携帯のカメラで顔の10cmくらいのところまでカメラ近付けて“いやーよかったですね。これで辞める言い訳が出来ましたね”とか。(記者の人が?)そう。それを(しずちゃんが)“辞めて下さい”って、こうやって(払うように)やったら、こっちの方からカメラで撮るんですって。携帯電話をこうやって、眉間にしわを寄せている顔を撮る。こういうのに慣れてないから、どうしたらいいんだって」

「僕はもうシンプルな方法なんですけど、とりあえず全部笑っとけばいいんじゃないって。人が怒ってる顔や、嫌がっている顔は、みんなグワッと気持ちをかきたてられて、嫌なこと書けるけど、笑顔に対しては嫌なことは書けないから。“何がきてもずっと笑ってたら?”って。(しずちゃんは)“うん、分かった”って言って、次の記者会見の時にずっと笑ってたんですよ。で、ボケたんです」

こう語り、上記の報道によって開かれた病状報告会見でしずちゃんが笑顔を見せた理由を明かした山里。「怖いんだと思う。みんな敵だと思っちゃってる。一人でも多く味方がいることを知ることが、しずちゃんが一番リラックスに繋がると思う」と続け、普段は芸人として笑いをとる立場ながらも、この時ばかりは相方への愛情を感じさせるような真剣な表情で彼女の五輪挑戦を振り返った。