中国武術の源流「少林拳」の強さの秘密に迫る“3つの極意”
『少林寺』のハードな世界を、アンディ・ラウ、ジャッキー・チェンら豪華キャストで蘇えらせた映画『新少林寺』のBlu-ray＆DVDが、3月23日からTSUTAYA限定でレンタル開始される。今回はDVDリリースを記念し、前作を知ってる人はもちろん、知らない人でも楽しめる『新少林寺』が“3倍楽しめる極意”を伝授しよう。
其の一 ： そもそも「少林寺」って何？ 中国武術の源流を知るべし！
「天下の武術少林より出ず」。あらゆる中国武術に影響を与えた「小林拳」は、中国河南省嵩山にある禅寺「少林寺」で生まれた。由来については諸説あるが、菩提達磨が少林寺に来て禅宗の教えを授ける際に、僧侶たちの体力不足を嘆き、体を鍛える秘法を授けた。それを元に武術として発展したのが「小林拳」と言われている。16世紀頃には、僧侶たちが小林棍法で日本刀を携えた倭寇（日本人を中心とした海賊）を撃退したとも伝えられており、その“強さ”をうかがい知ることができる。ちなみに、「少林寺拳法」と混同されることがあるが、少林寺拳法は日本人が創始した武術で別モノだ。
本編では、地面から垂直に立てた丸太の上に片足立ちしてポーズをとったり、集団で型の練習を延々と繰り返したり、僧侶たちの強さを育む、過酷な修行シーンが描かれている。肉体の鍛錬は、精神の鍛錬と紐づいているのだ。
其の二 ： ジャッキー・チェンのスゴ味を堪能すべし！！
ジャッキー・チェンは、1954年4月7日に香港で生まれた。本名は陳港生（家系図上での本名は房仕龍）。国民党のスパイだった父と、生活のためアヘンを密売していた母が、日中戦争や国共内戦から逃れるため、中国から香港へ移住した際に生まれたのが、ジャッキーだった。7歳から約10年間、中国戯劇学院に所属し、京劇や中国武術を徹底的に叩き込まれた。学校での修行は苛烈を極め、映画『酔拳』で、両膝を広げて中腰になり、さらに両腕を前に突き出したままの姿勢で、膝、肩、頭に湯のみを置き、中身をこぼさないようキープする修行シーンが登場するが、それは実際にジャッキーが学校で経験したシゴキの一つだったそうだ。
中国戯劇学院で強靭な精神と肉体を獲得したジャッキーは、ブルース・リーの映画のスタントマンを経て、自身の肉体とキャラクターを生かしたコミカルで激しいアクションを香港映画に導入し、『スネーキーモンキー 蛇拳』（1978年）で一気にスターダムにのし上がった。
『新少林寺』でも、ジャッキーのコミカルなアクションは顕在。武術に疎い厨房係役のジャッキーが、子供の僧侶たちのアドバイスを受け、料理の動きを使ったオリジナルの拳法で、敵をなぎ倒していくシーンは圧巻だ。命懸けの緊迫した場面に直面しながらも、ユーモアを散りばめる演技は、ジャッキーの真骨頂と言えるだろう。
其の三 ： 2億4000万円で再現、少林寺の大爆発シーンを見逃すな！！！
495年に建立された少林寺は、建築物としても貴重。細部にもこだわったセットにも注目したいところだ。山門、天王殿、大雄寶殿という3つの主な殿堂で構成される「新」少林寺。鉄工、木工、左官、庭師、石工、塗装工などを含む150人の職人の手により、4カ月かけて、外観から建材、棟梁も含めて、本物の少林寺とそっくりに作り上げたという。また大雄寶殿の大仏は、高さ9.9メートル、重さが10トン近くもあり、慈悲深い仏の表情を作るために顔の彫刻だけで1カ月以上の時間を費やした。クライマックスシーンでは、このセットを舞台に、激しすぎる戦闘が繰り広げられる。「武」をもって「禅」を修めるという少林寺の思想を深く反映したラストシーンは、瞬き禁止だ。
以上の3つの“極意”をもってすれば、『新少林寺』の面白さを十分堪能できるはずだ。この作品をきっかけに、頭を丸めて、中国へ旅立ってみるのもいいのでは？ 『新少林寺』Blu-ray＆DVDは、3月23日よりTSUTAYAのみでレンタル開始（発売は4月3日から）。
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