CEDEC AWARDS 2011 特別賞と著述賞の受賞者が決定
9月6日(火)から8日(木)までの3日間、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にてコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス「Computer Entertainment Developers Conference 2011」(CEDEC 2011)を開催するCEDEC運営委員会は、過去に発売されたコンピュータエンターテインメントに関わる技術およびその開発者を表彰する「CEDEC AWARDS 2011」のうち、コンピュータエンターテインメント開発全般に貢献した人物を表彰する「特別賞」とゲーム関連書籍の著者に贈る「著述賞」の受賞者を発表した。授賞式はCEDEC 2011会期2日目の9月7日(水)に、CEDEC会場のパシフィコ横浜にて実施される。受賞者およびCEDEC運営委員会による授賞理由は以下のとおり。
特別賞
- 田尻智氏(株式会社ゲームフリーク代表取締役)
- 石原恒和氏(株式会社ポケモン代表取締役社長)
授賞理由:遊びの本質を見失わず、かつ、たゆまぬ進化を続ける本格的なゲームデザイン
日本を代表するコンピューターゲームのひとつ「ポケットモンスター」シリーズは、ゲームボーイ用に1996年に発売されて以来、たゆまぬ進化を続けています。そのゲームデザインは、昆虫採集など昔からある子供たちの遊びをゲームの中で表現したものであり、ゲームデザイナー田尻氏の実体験に基づくものです。「ポケットモンスター」シリーズは、田尻氏のゲームデザインを基に進化し続け、現在も多くのユーザーに愛されています。ファンタシーから再生産されたファンタシー全盛の現代において、このようなゲームデザインに対する骨太のアプローチは範とすべきものです。
また、田尻氏の創作物である「ポケットモンスター」シリーズを、真正面からプロデュースし続ける石原氏の姿勢、業績もまた見習うところが多くあります。「ポケットモンスター」シリーズが、日本のみならず世界中の子供たちを魅了し続けているのは、その優れたゲーム性と併せ、プロデュースにおけるゲームに対する実直な姿勢があればこそでしょう。
派手な変化ばかりが目立ちがちな風潮の中、長年に渡り、様々なメディアを通して多くの子供たちに楽しみを提供し続ける業績を評します。
著述賞
- 中嶋謙互氏
授賞理由:オンラインゲーム開発技術を取り扱った、本格的な技術書の著述
中嶋謙互氏による624ページの大著「オンラインゲームを支える技術 −壮大なプレイ空間の舞台裏−」(技術評論社 刊)は、著者が長年にわたりオンラインゲームの技術開発を続けてこられた実体験に基づく本格的な技術書です。
その内容は、インターネットの基礎から始まり、ソケットプログラミング、非同期動作のためのプログラミングテクニック、オンラインゲーム特有の技術的問題まで幅広く、かつ深くカバーしています。
ゲーム開発に携わった日本人の著者により、このような、世界に通用するレベルの技術書が生み出されたことを高く評価します。