先月リーグ・アンのレンヌと2年契約を結んだばかりの稲本潤一(29)に早くも“退団”の噂が流れた。8日の開幕戦に71分から出場しフランス・デビューを果たした稲本だが、11日付のフランス・フットボール誌は、「レンヌのスタッフを納得させるには至らなかったようだ。彼が早くも退団することに首脳陣も反対ではないとすら囁かれている」と報じた。

 翌日にはレンヌのアントネッティ監督がレキップ紙に「彼がクラブを出るなどということは、まったくのでまかせ。こんな情報がどこから出てきたのかまったくわからない。彼は新居を見つけたばかりだ」と語り、この噂を頭から否定している。

 ドレオッシGMもレンヌの公式サイトで、「馬鹿げている! こんな噂を言いふらした人々は、よく言えばひどい情報源に惑わされたか、悪く言えば完全な馬鹿者だろう」と憤慨している。GMはさらに「新しいリーグ、新しいクラブ、新しい環境にやって来た選手には時間が必要。我々の日々の仕事は、新入りの選手が順応しやすいようにすることで、選手が自分のクオリティを一日も早く発揮できるようにすることだ。稲本はそうした外国人選手のひとりだ」と付け加えた。

 根も葉もない噂であるのは確かなようだが、稲本の加入に好意的でない関係者がいるとすれば、その談話に尾ひれがついた可能性はある。外国人にとって必ずしも適応しやすい国とはいえないフランスでの最初の数ヶ月を問題なく過ごすほうがむずかしいだろう。シーズン開幕とともにプレッシャーはさらに高まる。数々のリーグでそれを乗り越えてきた稲本には、ピッチでの活躍で周囲の疑念を払拭するしかないということがよくわかっているはずだ。