インタビュー:古内東子「敢えてまた“恋”をテーマに」
1996年6月に発表した7作目のシングル「誰より好きなのに」が大ヒットを記録し、女性の心情をリアルに描いたその歌詞と切ない歌声から“恋愛の教祖”と呼ばれ、同性を中心に圧倒的な支持を集めた古内東子。昨年12月にリリースされた新垣結衣のデビューアルバムなど他アーティストへの楽曲提供も行なう中、今月15日には前作「CASHMERE MUSIC」以来、約3年振りとなるニューアルバム「In Love Again」をリリース。同作のボーナストラックには綾瀬はるか、成海璃子の出演する「パンテーン」TV-CFソングとしてオンエア中の「Beautiful Days-new version-」が収録される。
――今作の「IN LOVE AGAIN」は、前作「CASHMERE MUSIC」から約3年ぶりのアルバムとなりますが、その間どういう内容にしようか考えていたことはありますか?
古内東子(以降、古内):いつも割と、その時に考えていることを曲にしていてます。アルバムを作り出したのは1年前なので、2年間作ってなかったことになるんですけど、その間に色々感じたこととか思ったことがそのまま曲に出て行けばいいなと思って。時代というか、男女の関わり合いの形も微妙に変化していると思うし、そういうことも自然に、本当に自分が感じたままに歌っていければいいなと思って。それがコンセプトというか、自ずとそうなっていくんじゃないかな?と思っていました。――今作以前の作品についても、事前に明確なコンセプトありきで曲を作っていくというよりは、割と自然な流れで作ってきたような感じでしょうか?
古内:そうですね。ただ、今回は「IN LOVE AGAIN」というタイトルなんですけれども、もう去年に「IN LOVE AGAIN」という曲がまず出来まして。――去年のツアータイトルにもなっていましたね。
古内:そうですね。それで、その「IN LOVE AGAIN」という曲で言っていることが割と凝縮されてているかな?と思いまして。ずっとラブソングを書いてきたんですけど、ここに来て敢えてまた「恋」をテーマに、しかも「AGAIN」「再び」という言葉を使って。そのタイトルがもうコンセプトですね。――今年でデビュー15周年を迎えられましたが、前作からの3年間で音楽面での自身や周囲の変化を感じることはありますか?
古内:変化していないと言えば嘘になるんですけども、自然体で生きている上で世の中に多少フィットして、ファションが変わるように色々な考え方も少しずつ。年齢も重ねていくわけですし、多少はあるのかな?とは思うんですけど、無意識なので。