モナコからパリ・サンジェルマン(PSG)に移って5シーズン目、誰もが認めるチームの中心選手となったジェローム・ロテン。ラコンブ前監督時代に“干された”時期もあったが、過去4シーズンつねにチーム最多のアシストを記録してきた左MFだ。とくにセンタリングには定評がある。
 
 そのロテンが間もなく“回想録”を出版する。レキップ紙の土曜版付録「レキップ・マガジン」(27日付)に抜粋が掲載された。ロテンはその中で、ジダンとの苦い“思い出”について語っている。

 2004年4月に行なわれたチャンピオンズリーグ準々決勝、モナコ対レアル・マドリード戦でのこと。モナコが3―1とリードした試合終盤、ジダンからボールを奪ったロテンは、後ろから足首にタックルを受けた。

 時間を稼ぐため「下手な映画俳優みたいに」倒れ込んだロテンにジダンが近づくと、苛立ちながら「起きろ、フィス・ド・ピュット!」と激しい言葉を投げかけた。「フィス・ド・ピュット」とはフランス語で“売春婦の息子”という意味の罵倒表現。試合後も謝らなかった憧れの選手にロテンは失望を感じたという。

 しかしそのロテンも、モナコ時代の監督だったデシャンに対しては、試合後カメラの前で「ホモ野郎!」とののしってしまったことがあり、本の中で“懺悔”している。しかし「デシャンはまったく恨みを残さなかった」と度量の広さに敬服しているようだ。

 ロテンはそのほか、モナコやフランス代表でチームメイトだったバルテズからは、ほとんど一言も声をかけられたことがないこと、国立のサッカー選手養成学校で同級生だったギャラスが勉強がまったくできなかったこと、などのエピソードを明かしている。

 ロテンの著書『信じられないだろうが』は10月8日、レキップ紙の出版部門プロロンガシオンから発売される。