【IT革命児】ITベンチャーの先駆け！デルコンピューター創業者「マイケル・デル」
・西友でデル製PCを販売 総合スーパー店頭は初
そんなデルを創設したマイケル・デル（Michael Saul Dell）氏は、10代の頃に企業し、今日では世界の長者番付に名を連ねるほどの大実業家となっている。
デル氏の半生とともにパソコンメーカー「デル」がIT企業として成功するまでの道のりをみてみよう。
■外科医からパソコン屋になるまで
マイケル・デル氏は1965年2月23日、アメリカ合衆国テキサス州ハウストンで生まれた。父は歯科矯正医、母は株式のバイヤーで、当時としては比較的裕福な家庭で育ったようだ。
●幼い頃から商売の素質を開花
マイケル・デル氏の商売への才能は幼い頃から芽生えていた。彼が12歳の頃、当時流行っていた切手収集に目を付けると、切手のカタログを自作して雑誌に広告を掲載、切手の売買で2,000ドルを稼いだという。
16歳になると、新聞の購読を勧誘するアルバイトをはじめたが、ターゲットを新婚家庭や転居者に的を絞り1万8,000ドルという大金を稼いだ。
●資本金1000ドル！19歳で起業へ
デル氏がパソコンに興味を持ったキッカケは、彼が15歳のときに両親から買ってもらった「Apple II」だ。彼は自分のApple IIを分解するだけでは飽きたらず、店頭で販売されているコンピューターを調達しては分解し、パーツを強化して友人に販売していた。
デル氏は両親の望みから外科医を志してテキサス大学に入学したが、1984年に同大学 学生寮の自室で、資本金1,000ドルを元にコンピューター会社「PC's Limited」を創設する。同年に大学を中退、本格的な会社経営に乗り出すこととなる。
■デル快進劇の舞台裏
デルが競争の激しいIT業界で成功をおさめたのには、それなりの理由がある。
●在庫を持たない受注生産
デル氏は、「販売店を通さず、直接顧客に販売する」という業界初の直販を採用。パーツの調達に手間はかかるが、在庫を持たないためリスクは少なくて済む。デル氏の思惑どおりに、PC's Limitedは急成長を遂げる。1988年、24歳という若さで「NASDAQ」に株式公開を果たし、同年に社名を「デル・コンピュータ」と改めた。
同社は1992年、世界の企業の売上高をランキングする雑誌「Fortune 500」に掲載され、デル氏は同誌に掲載された起業の中で、もっとも若い最高経営責任者（CEO）となった。2003年、製品ラインの拡大にともない、社名を「デル」に改名する。
2004年7月、デル氏はそれまで最高執行責任者を務めていたケビン・ロリンズ氏に最高経営責任者の職を譲ったが、2007年2月にロリンズ氏の辞任にともない再び最高経営責任者職に復帰している。デル氏は今日でもデルの最高経営責任者を務めているのだ。
●多方面で活躍！大統領の諮問委員にも
デル氏は現在、世界経済フォーラムの Foundation Board、International Business Council の実行委員、U.S. Business Council のメンバーや米大統領の科学技術に関する諮問委員会、インド商科大学院の理事会のメンバーなどにも名を連ね、デルの経営のみならず多分野で活躍している。
デル氏の人生は、パソコンメーカー「デル」の成功の上に成り立っていることは事実であるが、彼の名言から決して会社優先の人生を考えている訳ではないことがわかる。
「自分が成功することが会社の成功をもたらすのであり、その逆ではない。」マイケル・デル
15歳の頃、店頭のパソコンを強化して友達に販売したときから、彼はパソコンの受注販売がビジネスとして成功する確信を持ったのだろう。自分がビジネスの世界で成功することが会社の成功にも繋がった良い例といえる。
参考：
・マイケル・デル | デル - ウィキペディア
・マイケル・デル - コンピューター偉人伝
・Michael Dell（英文） - Forbes
・Michael S. Dell（英文） - Answers.com
・Dell（英語） - 企業サイト
・デル - 企業サイト
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編集部：関口哲司
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