マウロ・イカルディ。ベジンダリオに所属する14歳のアルゼンチン人FWにレアル・マドリーやバルセロナが注目している。ボール扱いに長け、脅威のシュート力を持つ逸材であるマウロは、イタリア国籍を持つ上、来年の6月にはフリーの身となる。この将来有望な少年にスペインの2大クラブが注目するのも当然だろう。

 彼の成長ぶりをチェックするレアル・マドリーのスカウト担当、シスト・アルフォンソ氏が「このまま成長していけば、一時代を築く選手になる」と語れば、バルセロナのスカウト部門、ジョセップ・ポアダ氏はこの9月にも獲得に向けて動き始めており、経費を負担しラ・マシアに招待。バルセロナのコーチ陣は彼の才能に惚れ込み、直ぐにでも獲得交渉を始めることを希望しているという。

 とはいえ、父親であるフアン・カルロス氏は、まだ14歳の息子に無用のプレッシャーはかけたくないはず。「来年の夏まではここにいることになる。マウロは子供だ。学校に行かなければならないし、彼の友人関係を壊したくはない。これからどうなるかは、お楽しみといったところだ。私たちは誰とも約束はしていないよ」と語る同氏だが、“将来のメッシ”に期待する面ものぞかせている。「マウロは成長し続けなければならないと言うことも理解している。夢の実現は彼次第だ」。

 現在、ベシンダリオのカデーテ(14〜15歳)に所属するマウロは、スペインでの5年間ですでに400ゴールをマーク。両足を巧みに使い、脅威のドリブルを見せ、ゴールを量産している。「ベシンダリオの前、ロサリオでは5歳の時からサラテアでプレーしていたんだ。そこでもゴールをたくさん決めていたんだよ」と振り返るマウロ。

 そのマウロにはエスパニョール、バレンシア、デポルティーボ、そしてセビージャといったクラブも注目している。14歳の逸材を巡って、争奪戦はすでに始まっている。

(スペイン通信)