生給与明細を拝見!

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30歳前後のエンジニアの給与と家計はどうなっているのだろう。給与はこれから増える?減る? 貯金はいくらぐらい? 資産運用の方法は? 2人のエンジニアの実際の給与明細を公開。それぞれのライフプランや支出管理についても、専門家に診断してもらった。

■津田さん(仮名)の場合

2年前にマンション購入。子供2人を抱えて、生活は楽じゃない

メモリ開発といっても担当は製品技術。工程の最初から最後までをひと通り知っていないと仕事にならないが、特化した専門技術が薄く、「何でも屋」になりがちな職種でもある。しかし、浅田さんには自分たちが製品を世に送り出す「母親役」という自負がある。半導体メモリ市況は好調で、浅田さんも自分の仕事が会社の業績に貢献しているという思いは強い。それが給与やボーナスに反映されているのであれば、なんの問題もないのだが……。
給与の支給総額は、基礎給+職能給+職務給、それに勤務地加算給からなる基準賃金に、扶養手当、時間外手当、住宅手当、通勤手当などの諸手当を加えたもの 。税金、保険料などが引かれて手取りで27万7000円前後だ。

2年前にマンションを購入しており、 住宅ローンの9万2000円が最大の支出。まだ子どもは小さいが、学齢に達するようになると、いろいろと出費も増える。今後の子どもの成長を考えると、給与アップを真剣に考えなければならないが……。
「私の年代の30代半ばからようやく社内の職能・職務資格の昇格で手取り額に差が現れるようになります。資格を上げるには、昇格試験のようなものはないので、ひたすら年に1回の考査でよい成績を維持する必要があります。あと2〜3年内に主務という資格に上がらないと、エンジニアとしても会社員としてもダメだと上司には言われているんですけれどね」

連続で一定以上の評価を得られれば次の年には資格がアップし、それが給与に反映する仕組み。 評価は上長の課長クラスの人が行い、面談で通知される。評価には個人の業績を反映するとはいうものの、部署内の評価分布率は決まっており、例えば面談で自己アピールしたからといって見直されることはない。面談は「上司に説得されて納得する場でしかない」と浅田さんは少々不満げだ。
残業は毎月30時間ベースでそれほど多くはない。しかし、仕事の「苛烈さ」は年々増している。「メモリ製品も少量多品種化の時代。それだけ仕事の手間が増えることを意味します。品質保証の面で過剰品質のところを発見し、いかに工程を合理化して工期を減らすかが私の仕事ですが、しかしそれが品質ダウンになってしまうと元も子もない」というジレンマに悩む。

浅田さん(仮名)の給与明細(大手電機メーカー勤務/高卒/33歳/既婚)はコチラ

毎月3万円の赤字をどうにかしたい

今年の初めまで海外に1年ほど家族を帯同して赴任していた。業務委託先の企業への出向。日本から給与を受け取りながら、委託先からも現地通貨払いで給与を受け取ることができ、通常は「海外勤務太り」するはずだった。しかし、意外と出費が多く、思いどおりにはならなかった。これは大きな誤算。住宅購入でそれまでの預貯金はすべて使い果たし、海外赴任でもたまらず、現在は貯金100万円ほどしかない。

「あらためて毎月の支出を計算してみたら、 支出合計が約35万円。単純計算だと毎月3万円近くの赤字 で、これはまずい。赤字分をボーナスで補填すると貯金に回せないし、かといって、生活費のどこを見直したらいいのか」
ちなみに ボーナスは昨年実績で45万円×2(税込み) だった。

  浅田さんの支出で住宅費以外に目立つのは、「教会寄付」の項目。後者は夫婦共にキリスト教の熱心な信者であるため、収入の10%を寄付しているのだ。教会に通うことで信仰をよりどころにした心の安定が得られるし、信者らとのコミュニティ活動も生活のハリになるので、これは避けようのない支出だ。
「あとは、電気代などの公共料金ですかね。マンションが広くなったのでたしかに増えたのですが、もう少し切りつめられないだろうかと妻と今、検討しているところです」
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