◇ティト・オーティズ対ラシャド・エヴァンズ

ライト級タイトルマッチを差し置いてセミファイナルとして行なわれたこの試合。人気者オーティズのおなじみの入場曲「MOSH」が流れると、場内は大きなブーイングに包まれる。これこそ、バッドボーイ人気の健在ぶりを表している。

試合はレスリング出身の両者による、テイクダウンの攻防を中心に展開した1Rは二回り近く大きく見えるオーティズが開始早々からタックルを奪い、やや優勢に。逆に2Rは若さ、スピード、スタミナに勝るエヴァンズが終盤テイクダウンに成功。倒される際に思わず金網を掴み1ポイント減点されてしまったオーティズだが、下から巧くギロチンに切り返し、このラウンドを9ー9の五分に戻してみせた。

最終ラウンド。攻めなければ勝てないエヴァンズだがなかなか仕掛けられない。それでも残り約10秒の時点で、金網際の接近戦の攻防から両足タックルを仕掛けたエヴァンズが、オーティズを抱え上げてテイクダウン!そのままサイドから鉄槌を落として、このラウンドの印象点をむしり取った。そして、判定は三者ともに28−28、減点があったせいで、近年のUFCでは極めて珍しいドローに終わった。

この試合の勝者はライトヘビー級タイトル挑戦に大きく近づくと思われたが、両者ともに再戦を強くアピールするしか、ベルトが見えない状況になるという両者が一旦停止を強いられる痛み分けとなった。

PPV中継で、この試合のラウンド間に観戦する桜井マッハ速人の姿が映し出され「PRIDEウェルター級ファイター」として紹介された。ちなみにマッハは、ズッファのオーナーであるロレンゾ・ファティータ大のお気に入り選手だ。

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