ドラマ史に残る菅田将暉の“最後の授業”大団円の「3年A組」

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3月10日、菅田将暉(25)主演ドラマ『3年A組―今から皆さん、人質です―』(日本テレビ系)。数カ月前に自殺したクラスメイトの景山澪奈(上白石萌歌)の真相を明らかにするべく、菅田演じる柊一颯が生徒29人に対して10日間の“最後の授業”を行うドラマ。ついに最終日を迎えることとなった。

9話の最後で警察に撃たれたが、防弾チョッキにより難を逃れていた柊。立ち上がった柊は警察と報道陣に「明日の朝8時にSNSのライブ中継で全ての真相を話す」と告げる。いっぽう「私が澪奈を殺した」とクラスメートに告白した茅野さくら(永野芽郁)は、真相を語り始める。そして迎えた朝8時。本当に茅野が殺したのか、そして柊が真に伝えたかったこととは……というのが最終話のあらすじ。

今回の見どころはなんといっても柊による最後の授業だろう。景山が屋上から飛び降りたのは、ネット上の誹謗中傷で幻聴や幻覚を感じるようになってしまっていたからだった。景山を殺した真犯人は、SNSで無根拠に人を叩く国民だったのだ。柊がフェイク動画や誤情報をSNSにばら撒いて、撹乱したのは全てこのため。

事実を確かめることなくその都度意見を変えるネット住民に、柊は「お前たちはこの10日間でどれだけ自分の意見を変えた? 信憑性のない情報を頼りにどれだけ心ない言葉をネットで浴びせた」と怒りを見せる。続けて「お前らネットの何千何万という悪意にまみれたナイフで何度も何度も刺されて景山の心は殺されたんだよ」と彼らを糾弾する。

そして涙を流しながら「自分の親や友達に面と向かって言えない言葉を見ず知らずの他人にぶつけんなよ。お前のストレスの発散で他人の心をえぐんなよ!気づいてくれよ……」と、渾身のメッセージを放つ。最後には「その目も口も手も、誰かを傷つけるためにあるわけじゃない。誰かを喜びをわかちあうために、誰かと幸せを噛みしめるためにあるんじゃないのか。もっと人にやさしくなろうぜ。もっと自分を大事にしようぜ」と祈るように呼びかけるのであった。

10分にわたってカメラ目線で、ネット住民に訴えかけた菅田の演技は間違いなくドラマ史に深く刻まれたことだろう。ネット上でも《言葉で人を殺せるし救えることを教えてくれた菅田くんに感謝しかない》《私も学生時代にこんな先生に出会いたかった……》といった絶賛する声で溢れていた。

しかし残念ながら、SNSによる誹謗中傷はすぐにはなくならないだろう。柊が何度も伝えてきた決め台詞「Let’s Think」。次に彼に試されているのは、我々視聴者なのかもしれない――。