法令上は見やすいように表示しなければならない

 雪というのは厄介な代物で、視界を遮る雪や、屋根やボンネットに積もった雪は、誰もが一通り落としてからクルマに乗るだろうが、ナンバープレートが雪で隠れていてもあまり気にすることはないのでは?

 でも厳密にいえば、ナンバープレートは見やすいように表示しないと違反になる。

 平成28年4月1日に、ナンバープレートの表示義務が明確化され、カバー等で被覆すること、シール等を貼り付けること、汚れた状態とすること、回転させて表示すること、折り返すこと等などが、具体的は禁止事項となっているからだ。

 法律的には、道路運送車両法 第73条 「車両番号標の表示の義務等」に、「車両番号を記載した車両番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことその他当該車両番号を見やすいように表示しなければ、これを運行の用に供してはならない」とあり、違反した場合、50万円以下の罰金(道路運送車両法 第109条第1項)に処せられる!

 しかし、雪の降るなか、クルマを走らせていれば、雪でナンバー隠れることは珍しくなし、もちろん故意に隠したわけではないのに、取締りの対象になることがあり得るのだろうか?

新潟県警によると取り締まりの例はない

 ちょうど、週末に新潟県に出かける用事があったので、新潟県警本部に問い合わせてみた。

 新潟県警の担当者によると、「雪でナンバーが隠れてもいいとはいえませんが、これまでそのことを取り締まった実例はありません」とのこと。

 そのうえで、「ヘッドライトにLEDを使っている最近のクルマの場合、ナンバーだけでなくヘッドライトも着雪して、十分な光量が得られないこともあるので、ときどきクルマを降りてチェックしていただき、ヘッドライトの雪を払うときにでも、一緒にナンバーに付着した雪も落としてください」とアドバイスをいただいた。

 というわけで、ナンバープレートへの着雪は、違反とまでは言えない限りなくシロに近いグレーゾーンという扱いで、取り締まられることはないだろうが、そのままにしておくと警察官に注意される可能性はあるといったところ。

 神経質になる必要はないが、雪がやんだら、ナンバーもきれいにしておこう。