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大手外食チェーンなどで「バイトテロ」が相次いでいる。

アルバイト店員が業務中の様子を撮影した不適切動画がSNSで拡散され、複数企業が謝罪に追い込まれた。

すき家、くら寿司、ビッグエコー...

牛丼チェーン「すき家」は2019年1月31日、アルバイト店員が不適切な行為をしたとして謝罪した。

発端となった動画は、インスタグラムの24時間限定で公開する機能「ストーリーズ」を使い投稿され、氷を床に散乱させるなどした様子が映されていた。投稿後にツイッターで拡散し、批判が殺到していた。同社は店員を退職処分にしたという。

回転寿司チェーン「くら寿司」では2月6日、店員がゴミ箱に捨てた魚をまな板に戻す様子の動画がSNSに投稿され、

「類似の事故が様々なチェーン店で多発しており、当社も日頃からその対応を懸命に行っておりましたが、力およばず同種の事件が起きてしまいました」

と謝罪。同社はJ-CASTニュースの取材に「(関与した店員に)理由を聞いていますが、こんなことになると思っていなかったと、ショックで憔悴しきっています。アルバイトなどへの法的な対応の中身については、現在検討しているところです」

と話した。

その翌日には、カラオケチェーン「ビッグエコー」でも店員の厨房内での迷惑動画が拡散し、運営する第一興商がお詫び。動画の存在は2か月前に発覚しており、同社は警察に被害届を出していた。過去の不祥事が蒸し返されたことに、第一興商は「歯がゆいです。悪意があるかどうかわからないが、正直、ネットの世界って難しい」と取材に答えた。

専門家の見解は?

バイトテロが相次ぐ背景について、ネットの炎上対策を指南するコンサルタント会社「MiTERU」の代表で、ネットウォッチャーとして知られるおおつねまさふみ氏は、

「バイトテロのような悪ふざけ行為は、ネットには露出していないものを含めたら、陰ではたくさん発生していると考えるほうが自然」

と見る。すき家の迷惑動画が拡散されて注目を集めたことで、同様の投稿が掘り起こされた形だ。

「わざわざネットに投稿したがる心理としては、匿名アカウントは本人を特定出来ないと甘く考えていることや、炎上でもバズって話題になることが、『注目が集まる』という報酬・面白さに通ずるからだろう」(おおつね氏)

2011〜13年にも、ツイッターで不用意な投稿をする「バカッター」行為が相次いだ。おおつね氏は「顔を映さないようして身元を隠そうとしたり、インスタグラムストーリーズのような、時間式で自然に消えるサービスを使う事例もあるという違いはある」が、当時と比べて行為自体に大きな変化はないという。

「ネットで顔を出して炎上すると糾弾されるということは広まっているが、顔を隠しても背景などの細かい情報で結局特定されることは理解されていないのでは」

おおつね氏によれば、アルバイトを雇う会社側は採用時の研修を丁寧に行うしか自衛策はないといい、見つけた際は「即座に情報収集を行い、可能な限りすぐに『調査をしています』とコメントを投稿するべき」とアドバイスする。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)