マイナーなミュージシャンを好きな人が、メジャーなアーティストが好きな人たちを「大衆に媚びた音楽の何が良いんだ」と見下す話はよく聞く。こういう、マイナー好きがメジャー好きを笑う現象は、音楽に限らず他のジャンルでも起こりうるものだ。

はてな匿名ダイアリーに1月17日、「一部オタク界隈の『メジャーなものが好きだとバカにされる』って風潮ホントクソだよな」というエントリーが寄せられた。投稿者がオフ会で「ドラクエとかモンハンが好き」と明かしたところ、「あーはいはいあドラクエモンハンね」と感じの悪いリアクションをされたという。投稿者は

「お前らがマイナーなゲーム好きなのはお前らの勝手だけど、それでメジャーなゲーム好きを見下すんじゃねえよアホかよ」

と怒りを爆発させた。(文:石川祐介)

「歴史好き界隈で織田信長が好きって言うと鼻で笑われるのと同じだ」


コメント欄には同様の被害に遭った人の意見が多く寄せられている。メジャータイトル好きを馬鹿にする人は、みんなが知らないことを知っている優越感でマウンティングしたい、という心理があるのだろうか。

「この感覚は正直分かる。会話に知識量マウントが混じってくるとちょっとしんどいよね」
「誰も知らないものをドヤ顔で解説→周りはうんざりしてるのにも気づかず本人だけが楽しんでるって光景のオタクあるある感」

「歴史好き界隈で織田信長が好きって言うと鼻で笑われるのと同じだ」など、ゲーム以外の分野からも多数の被害報告が寄せられていた。

メジャーなものが好きというだけで馬鹿にされるというのは確かに理不尽だ。中途半端にマイナーなものよりも、多くの人に支持されているものの方がクオリティが高い、ということもあるだろう。

しかし、マイナーなものの方が、会話が盛り上がるという指摘もある。どんな経緯でオフ会が催されたのかまでは書いていないのでわからないが、普段はなかなか話せないマイナー作品について語り合うためのオフ会だとしたら、メジャーな作品名を挙げた投稿者にガッカリしてしまったのかもしれない。

有効な対策は「あえて」「一周して」と頭に付けること

人の嗜好を笑うのは品のないことだが、不快な思いをしなくて済むよう、こちら側も"術"を知っておく必要がありそうだ。コメントでは、

「相手はマウント取りたいだけだから、『あえて』『結局』『一周して』とか言っとけば簡単にマウント取れないかも」

「あえて」、「一周して」という前置きすれば、通の雰囲気が出るので面倒なマウンティングを回避できるというアドバイスが散見された。確かに「一周回って、ドラクエが好きだな」という言葉からは、「色んなゲームを遊んだが結局ドラクエが好き」というニュアンスも感じられる。即効性のある対策と言えそうだ。