様々なフルーツが詰められた木箱には、ちょこんとカービィの姿が

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「星のカービィ」をテーマにしたカフェ「カービィカフェ」が9月27日(木)から東京ソラマチに期間限定オープン。カフェの利用は予約制で、受付開始から多くの申し込みがあり、9月27日現在で予約可能な期間はほぼ満席となっているほどの人気ぶりだ。

【写真を見る】黒板アートや小物とともに並べられたカービィなど、作品の魅力がカフェらしさの中に落とし込まれている

そんなカービィカフェだが、メニューや販売される限定グッズがカービィらしいかわいらしいデザインなのに対し、店内の内装は一般のカフェとして通用するようなウッドベースの落ち着いた空間となっている。一般的に、作品やキャラクターとのコラボカフェでは、キャラクターを前面に押し出したインテリアが多い。カービィカフェもよく見るとあちこちにカービィの意匠が施されているのだが、いずれもシックな内装に溶け込むように配置されている。

カービィの愛らしさをアピールした“ゆるふわ”なデザインではなく、現代風のカフェスタイルを選んだ狙いはどこにあるのだろうか。その理由を、カービィカフェの監修を担当する株式会社ワープスターの藤江宏志さんはこう語る。

「『星のカービィ』を大好きでいてくださるファンの方々に向けたカフェであることに加えて、なるべく多くの方に関わりを持ってもらえる場所にしたかったという思いがあります。カービィにあまり馴染みのない方にとっても『カービィはそこまで知らないけれど、雰囲気のいい場所があった』と感じてもらえるような空間作りを前回(2016年)から引き続き意識しました。前回は主に20代から30代の女性のお客様を中心に好評を博しまして、カービィファンのさらに外側の新しい層にも気に入っていただけたという手ごたえがありました」

一方で、『星のカービィ』らしさを感じるビジュアルはメニュー面で強化されている。藤江さんが「今回は食器にカービィカフェにロゴを入れて、カトラリーにもカービィたちをあしらったオリジナルデザインにしています。また、ウィスピーウッズを模したココットや、カービィの吸い込みを表現した陶器のフィギュアなど、カービィの世界を器で表現するというのは今回新たに試みた部分です」と話す通り、キャラクターを単に取り込むだけでなく、食器全体で情景を作り出したメニューは印象的だ。

さらに、カフェ併設の物販コーナーだけでなく、グッズ専門店として「カービィカフェ ザ・ストア」がソラマチ内に別途期間限定オープンするのも、他のコラボカフェではなかなか見られない点だ。

「ここ数年の間で『星のカービィ』のグッズ市場がすごくいい形で盛り上がってきていて、その需要の高まりを受けて今回も別スペースにストアを展開することになりました。カービィカフェという普段と違ったカラーを打ち出す機会に、限定グッズだけでなく一般販売されている商品も集めた場所を用意することで、ニーズにしっかりと対応したいと考えました」と藤江さんは話す。カービィカフェ ザ・ストアもすでに来店予約が満員の日が出ていることがその言葉を裏付けている。

前回からコンセプトを引き継ぎながら、圧倒的な支持を受けるカービィカフェ。SNSではファンから常設オープンや地方開催を求める声も挙がっている。2016年は東京と大阪の2会場での開催だったこともあり、今後の展開が気になるところだ。藤江さんも「広げていきたい気持ちはあります」と話す。

「我々としては、なるべく多くの方にカービィに触れていただきたいですし、カフェにも足を運んでいただきたいという思いは強くあります。ですが、まずは東京ソラマチにオープンする今回の店舗で、新しい『カービィカフェ』の形をしっかりと作りこむことを第一に考えています。今後の展開については、カフェの企画・運営でご一緒いただいているベネリックさんと二人三脚で戦略を立てていきたいです」

作品のファンが納得するクオリティを保ち、かつ『星のカービィ』への入り口にもなりうるカービィカフェ。カフェ全体に感じられるバランス感覚が、人気の一因と言えそうだ。(東京ウォーカー(全国版)・国分洋平)